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ダブルキャスト  作者: 背徳の魔王
第一章
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異世界のチンピラ、裏社会2



あれからレンは男達と話をした。男達のリーダーである奥住とは、手打ちとした。その上で、色々と誤解してるようだが、レンにとって都合がよく。利用することにした。


「そうか………、お前さん何処かのファミリーの御曹司だったのか」


「父のファミリーの名前は出せないのは申し訳な~いです~」


「あっ、いやそうだろうぜ」


(日本のヤクザとは違うファミリーは、ある意味ヤバイからな。手打ちにしてくれて助かったぜ)


冷や汗を拭いながら、男臭い顔を拭っていた。

男、奥住に案内させて、レンは日本に滞在するため、奥住に偽造屋の仲介を頼んでいた。


勿論仲介料に先に20万ほど弾んだら、二つ返事で案内してくれた。分かりやすい男である意味助かっていた。




▽▽▽▽▽▽▽▽▲▲▲▲▲▲▲▲





二人が訪れたのは東京にある。小さなお店が無数に並ぶ通り、


「ご、ゴールド?、お金通りって読むのでしょう~か?」


「この辺りは歌舞伎町からも近くてな、ある意味最後の無法地帯なんだぜ」


意味ありげに奥住が笑う。恐らく闇の住人、日本のマフィアとか呼ばれてる。昔懐かしい場所とか言っていた。



奥住は入り汲んだ小さな裏通りを幾つか通り、萎びたバーを訪れていた。


奥住には仲介料の他に、紹介料に20万と金貨五枚をここで渡した。金貨一枚日本円で、18000程になったので、仲間と別けてもそれなりの利益が出たはずだ、



笑みを浮かべたので文句はないようだ。


「じゃあな、なんかまたあるなら、電話しろよ」


足取りも軽く。偽造屋に挨拶した奥住は帰っていった。


「外国人さん、何を作るのかね?」


免許だけなら20万、住所込みで50万、住民登録込みなら100万、おまけでアパートとパスポート付きなら300万だそうだ。


「ならそれで、支払いは金貨にします。プラチナで払います?、宝石の原石でも良いですが………」


「…………おやおや、これはなかなかなお客のようだ、あんな外れ者の奥住が連れてきたにしては。上客だったようだね」


初老のマスターが、弧を描くように狐目を上機嫌に細めた。


「………そうだね。なら金の方が使い勝手はいがなね。あるかい?」


奥住が言っていた金の価格が上がっているとか言っていたな。24金1グラム5300、


金貨一枚18金だったので18000~24000の間だ。


100グラムづつの小さな板を。7枚。


「余りは情報料だ」


「………なるほど、答えられるならね」


「宝石の原石と加工済みのがかなりある。まとめて取引してくれる組織か個人を頼む。割安でも、ある程度は我慢するよ~」


「…………ほ~う。どのくらいかね?」


「……そうだな、少な物からそうでもないものまで、それなりにあるかな」


なるほど………、何処かのカルテットのファミリーのボンボンかと。男は察した。だから奥住は追い剥ぎなんてせず。友好的にしてたのかと納得する。


(この坊や、上客だったね)


男は、安アパートじゃなく。男が所有する高級マンションの中でも、有数の物件を坊やに与えることにした。


(あそこは中立だ。物件としての価値もある。仲介料引いても悪くない金になるはずだな)


「………酒は、いける口かね」


「そうだ~、蒸留酒があるなら頼めま~すか」


外国人なら、自国の酒を頼むのが普通だ、拘りがある者が意外と多いからだ。


しかし青年は、蒸留酒と指定した。何よりも場馴れもしてる。いやし過ぎてる。


(ボンボンにしてはね。うむ外国の工作員って線は消えたね)


初老の男とて、国に睨まれてまで、非合法はやらない、ある一定の必要悪と認められているのだから。


「………坊や、普段何を飲んでるんだい」


やや興味を抱いて、訪ねたら。偽造屋を営むようになって35年、初めてのことだ。


「多分、こっちにはない珍しい酒で~す、飲んでみますか?」


「………飲んでみたいが」


何も持ってないような………、


(そう言えば、坊やは何処から金の延べ棒を?)


レンは何気ない手付きで、何処からともなく小型の樽を出してきた。


「………なっ!、何も無いところからから樽が………」


(………嫌々、小型の樽って言っても)


レンは小型の樽を持つと、更に青みがかったグラスも出して、樽をカウンターに乗せた。


並々と中身が入っていたようで。重そうな音がした。どうみても30キロはありそうである。


(これはいったい、どうした物かと思い悩む)


「こいつはまた、古そうな樽だね」


初老の男もバーを営む。酒の知識はそれなりにあった。趣味で古い酒を集めた時代もあったから、それに気付いた。


「家にあった、古いお酒で~す」


古い技法のコルクがされてるのを見て。ゴクリと喉を鳴らしていた。


(こいつは樽だけでもいい値段しそうだな………)


完全なオーダーメイドな樽なんて。初めて見た男は、恐る恐るコルクを抜いて。レンが用意したグラスに酒を流した。


すると暴力的なまでの、芳醇なオークが醸し出す香りが、店内を覆い包むではないか。


(こっ。こいつは最高級の蒸留酒だ、………多分。葡萄酒から作られてるからブランデーだね)


「さあ親父さん、御近づきに一杯飲まないか」


「………ぜひとも」


優男は、カウンターの奥に。そのまま小型の樽が置ける器具を設置していた、銅を加工して作った専用の注ぎ口を取り付ける。


「これはお近づきに差し上げるよ。コックを捻れば出るからね」


中身は、入れ換えが可能であること。幾つか取り扱いの説明を受けた後、早速一口。


ガツンとした辛みがまだ残ってるが………、


「美味い………実に美味い」


「それは良かった。こいつは僕が畑から拘って作ったからね。まだ若いけどおいしいよね」


(………なっ、なんと。ワインナリーを運営しておる一族か、通りで裕福な訳だ)


妙な納得をしていた。


「こいつに好みの酒を入れて一年置いとくと。熟成するから。また楽しめるって、作者に聞いたよ~、大事にしたらこの樽も、30年は使えるそうだよ」


(………そうつは素晴らしいな。ある意味、酒の財産にもなるしな)


上機嫌になった男は、きちんと仲介することを決めた。














この小説はフィクションです

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