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ダブルキャスト  作者: 背徳の魔王
第一章
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異世界のチンピラ、裏社会



「待ちな、綺麗な顔のお兄さんよ♪」


やたらと見た目だけゴツい男達とは違う。ねばついた視線を感じながら、手にナイフを持ったのが二人、武器に鉄の棒を持った者が二人、後ろに見張りと鉄の馬車があった。視線の持ち主も馬車の中のようだ。


全部で6人だ。一人を襲うに過剰だが………、


片瀬さんの話を聞く限り、そうとも言えないか。


「なんで~すか~?」


暴力に慣れた空気を醸し出してる。が、武には疎いようだ。ただのこけおどしだろう。ただ一人、馬車の中にいる者は、冷たい殺気を内包していた。何人か殺したことがあるようだ。


「お兄さんよ。俺たち見てたんだぜ、金持ってんだろ、だせよ」


にやにやした男の歯は黄ばみ、よく見れば目は濁っていた。薬でもやってたのだろうか?、やや興奮気味に息が荒く、自分の行為に高揚して充血していた。



他の四人も同じであろうは、想像しやすい。


「金?、てなんで~すか?」


キョトンとした顔をした僕に。ピキリ青筋を立てた。


「金は金だ?」


「????、わた~しは鍛冶屋ではないので、金属の持ちあわ~せあ~りませんが」


首を傾げた僕に。話が噛み合ってないことに思い至る。


「………テメーなめてんのか、あぁ」


「テメーなめ?、どんな意味があ~りますか?」


「………おっおい、思ったんだが、こいつマジもんの外国人だろ、日本語あんまり分からないんじゃ………」


「「「あ~」」」


ガタイのいい男も、やや困惑めいた顔をしながら、ナイフ持った男の言葉に納得する。


「それに金って、あの外国人金物って訳したんじゃね」


「「「あぁ………」」」


ようやく噛み合ってない理由に思い至る。


「おい………、さっさと凹して身ぐるみ剥げや」


ドスの効いた声音で、馬車に乗っていた、殺気を持った男が降りてきた。


「………金、あぁなるほどね貨幣を寄越せ、追い剥ぎでしたか」


一人ようやり理解出来たレンだ。


「よお~、大人しく身ぐるみ置いてけ、命だけは助けてやる」


懐に手をやり、何やら金属の塊のような武器をちらつかせる。


「お断り致します」


「……………テメー、なめてんのか、あぁ、これを見ても同じこと言えんのか」


気が短いようだ。短絡的で場当たり的な男だ、


『何やら、金属を加工した精緻な武器だ』


恐らく、弓を小型にして殺傷能力を増した加工がされてるものだろうか、ただあの小さな筒を見るかぎり、直線にしか飛ばない武器のようだ。


「お断り致しま~す」


「テメー………、殺す。舐めたこと抜かしやがったな!?、おい袋、用意しとけや」


「わっ、分かりました」


一人が、馬車に走る。


殺気が、左胸に向かい、何かを引こうと指が動く。


『なるほどカラクリ武器の一種ですか』


恐らく、小さな矢があの中に入ってるのだろう、



レンは素早く、創造のカードに触れ。


悪神・月を司る主女神【カーレブ】


ギフト【影と幻影魔法・極】



を使った。その力は、レンの影と幻影を使った魔法である。


まるで本人にしか見えない影の幻影を残して、本人は悠然と移動する。


序でに気配を消しいた俺は、誰に気付かれることなく。包囲を抜けて、男に迫り、その武器を奪う、



悪神・詐称と強奪の神【ゴーデヒ】から奪った【収納】ギフトだったが、7つ目のスキルになった物を使って、素早く仕舞う、


【トカレフ】


『中国製、粗悪品』



悪神・鑑定と偽証の神【バーナフ】の【鑑定】のギフトで見てみた。


かなりいい加減に作られた武器である事が解った。


「粗悪品のトカレフで~す」


「なっ、なっ」


目を白黒させる男達を他所に。


レンは何処からともなく作業台を出した。


「なっ、なんだ、何も無いところから机が現れた………」


訳が分からないと困惑する男達。


その間にも。



悪神・鍛冶や鉄の加工を司る【フンニバル】の【金属加工・加治】ギフトを使って、


トカレフを分解してしまう。


「おっ、俺のトカレフが………」


「………そこの貴方、使ったらレストアしてましたか?」


「………なっ、何を訳の分からねえ」


「ちょっ見なさい」


「お、おい、何しやがる離せ。ばっ、なんてバカ力してやがる」


男達は乾いた目をして、二度見していた。自分達のグループのリーダーは、暴力の象徴として名が通っていた。


それが優男の外国人に、片手で引きずられてくではないか。


「………なあ、もしかして俺ら、ヤバイ人に手を出したかな………」


「「「ああ~」」」


チンピラ達は、力なく乾いた笑みを浮かべた。





▽▽▽▽▽▽▽▽▲▲▲▲▲▲▲▲





 レンに引きずられた男は戸惑っていた、男の力はかなりの物だと自負していた。この優男の外国人を見付けたのも不用意に。金貨とかを公共の場で出してたからだ。


外国人のボンボンだと踏んで、追い剥ぎすることに決めた。


しかし優男は、自分達の切り札。トカレフをあっさり奪っただけじゃなく。慣れた手つきでばらしていた。


(こいつはヤベエな………、マフィアのボンボンだったか………)


背に冷や汗流しながら、何処からともなく現れた机の前に連れてかれた。


「このトカレフ安物でしたね。これを見なさ~い」


にこやかに優男が言うから。渋々優男の指した所を見た。


「亀裂…………」


「その通り、ほら他の部品も見てくださ~い、かなり劣化してますね~」


優男に言われてよくよく見れば、部品の幾つかが錆びていた。


「あのまま撃ってたら。貴方、指が吹き飛んでたか、爆発して、最悪失明してましたね」


「…………マジカ」


思わず天を仰いだ。俺は体が頑丈なのが取り柄だ。もしも失明なんてしたなら………、


もっと冷たい冷や汗が流れた。


「これは廃棄しなさ~い。死にたくないのなら」


「あっ、ああ……、そのなんだ。ありがとう?」


変な感じだ。追い剥ぎしようとした相手に命が救われるなんて。


なんだかバカらしくなった。


「どういたしまして~、御礼では無いですが情報が欲しいのですが」


見たこともないフードの奥に見える目は、強かで、強者の者だった。


(こいつ、そうとうな修羅場潜り抜けてやがる。滅茶苦茶ヤバイ奴だったか…………)


深々と。ため息を吐いていた。







この小説はフィクションです。

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