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ダブルキャスト  作者: 背徳の魔王
第二章
21/138

小金持ちな暗殺者2



 探求者ギルドの職員に案内されて、夕べ訪れた執務室を再び訪れる。


職員がノックをすると。


「どうぞ」


入室を許可された。


「失礼致します。ミキオ様をお連れ致しました」


「ご苦労様、下がって良いよ」


職員が一礼して去った。


「さあ座りたまえ」


「はい」


にこやかに促され、素直に従った。


(うむ、悪い結果ではないようだな、どうせ政治的にとか、あ~だこうだとか嘴を挟んだ。小物がチョロチョロしたって所だろ)


ミキオは、大体の中りを付けた。




 ファロンは、にこやかに微笑みながら、


「単刀直入に言うと、君を襲撃した傭兵は、所属していたクランに奴隷として買われた」


奴隷は二名、傭兵として名も売れていたため、それなりの金額で売れたこと。小さな皮の袋を渡してきた。


「中身の確認をしてくれたまえ」


「はい」


言われるまま、硬貨らしき物が入ってる皮の袋から、手のひらに中身を広げた。


「大金貨二枚と金貨7枚になる」


(まだこの国の貨幣価値が分からないが、恐らくで考えれば10進方式だろうな、金貨1枚が10万くらいと考えると270万くらいかな?)


「結構な金額ですが、宜しいのですか?」


何となく多い気がして訊ねたら。


「よく分かったね。君のいた国も貨幣は似てるのかな?」


(探ってきたか………)


ミキオは外国で仕事をすることもあって、一両小判は掴みで持っていた。


「これを………」


ファロンは艶やかな布を受け取り眉を潜める。


「少し前まで、僕のいた国で使われていた貨幣、一両と呼ばれる金貨です」


ようやくミキオの意図を察した。


花をあしらった精緻な布をめくると、数枚の変わった型の金貨が出てきた。


「おぉ~、これは不思議な型だが、一枚一枚、職人が作ったのが分かる」


(これは精緻な布といい、間違いなくこの大陸では見たことのない証拠だ)


ちらりミキオを伺い見た。


何となく察して、


「一枚を残してくれるのでしたら、残り四両とそちらの染布はお譲り致しましょう」


「そうかい?!、いや~悪いね」


ファロンの笑みが深まる。


「所で、この染め布は他にも?」


「ええ持ち込んだ数は少ないですが、お譲りしましょうか」


「おぉ~、頼めると嬉しいよ」


暗殺の仕事中と言うことで、持ち込んでた荷物は少ないがあった。


コンパクトな革製の肩掛けを腰の所に隠してあったのだ。


「ちょっと失礼致します」


上着を脱いで、肩掛けを取り外した。


「ほぉ~、変わった型の鞄だね」


目を輝かせたファロンに、やや気圧されながら、肩掛けの中身を広げる。


「此方も見て見ますか?」


「是非頼むよ」


鼻息も荒く、意気込む。


幾つか持ち歩いていた草木染めの布、時に包帯変わりに使うため薬草を煮詰めて、色を着けさせてある物は、別にしてあって良かったとか考えながら、


ファロンは好奇心を満たすため、革製の肩掛けを丹念に調べて行く。


(素晴らしい…………、僕達騎士にしても、旅人にしても、これは非常に使える物だね)


感嘆の溜め息を吐いた。


(特に色々なポケットがあるのが良いよ。何かを取り出すとき、いちいち鞍から外さなくて良いし、馬に乗りながら、道具が出せそうなのが実に実用的だ)


ちらり、ちらりミキオを伺っていた。


「えっと………、それを差し上げて構わないのですが」


「本当かい!」


「何分オーダーメイドの一品物でして、どこかで良い皮も譲って貰えるのでしたらお譲り致しましょう」


「おぉ~!、何だか悪いな」


上機嫌に笑うファロンに、ミキオは笑みを浮かべながら、小さく舌を内心出していた。


(あれは俺の手作りさ、高く買ってくれよ聖騎士さん)


様々な持ち物を肩掛け込みで、売ることになった。


「いや~、いい買い物をした気分だよ」


「此方こそ感謝致します」


礼儀正しく、目礼をした。


『大金貨10、金貨7枚』


大体の貨幣価値も、ファロンと話してる内に聞き出していた。


小判一枚=大金貨一枚、大金貨四枚


肩掛け鞄=大金貨四枚


草木染めの布5枚はプレゼントとした。


「これは僕から」


金貨10枚を御礼に貰った。


「ありがとうございますファロン様」


「うんうん、また何かあったら訊ねておいで」


ファロンから紹介状まで書いて貰えた。


(権力者からの紹介状ゲットだ)


これは何かと使えるだろうな、よっぽど肩掛け鞄が良かったのだろう、


「じゃこっちが、僕が有してる皮の中でも良いものだ」


ファロンが布の袋を渡してきた。


中には緑かかった爬虫類か何かの鞣した革だった。


「これは…………」


「僕が仕留めたワイバーンの鞣した皮膜だよ。倉にそこそこ貯まってた物で悪いが」


「…………いっ、いえありがとうございます」


(流石はファンタジー、竜とか居るのかよ!)


「喜んで貰えて良かった。またねミキオ君」


「お世話になりました」


深々頭を下げるミキオを。優しい顔で見送るファロン。


見えなくなるまで見送ると足取りも刈る。屋敷に向かって行った。





この物語はフィクションです。

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