表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダブルキャスト  作者: 背徳の魔王
第一章
1/138

プロローグ

不定期、転位物です




 閃光が闇を斬り裂いた。


断末魔のくぐもった息が、微かに漏れた。




………また一人、



命を失った白人の男は、骸を晒し冷たくなっていった。




━━━港の埠頭。夜の闇。



いかにもな素行が悪そうな、白人の男たちが、眼下に集まるのが見えていた。


「あれか………、ふう~、公安が来る前に。残りを始末するか」


まだ若い男の声は、海風に消えていた。



後に残る。血香をも、洗い流していった。






▽▽▽▽▽▽▽▽▲▲▲▲▲▲▲▲




《異世界・アースガルド》 





月を見上げたレンは、膨大に高まった魔力の高まりを感じていた。


《双子の月》


中立の姉女神【ラクア】


中立の妹女神【ダレア】



この世界を司る77柱の中でも公平と均衡の月を見上げる。間もなく時が来る。



一人、ただその時を静かに待っていた。



この世界はほんの100年前まで、

神々の遊戯世界であった。


いや遊戯等と甘い言葉では済まない。悪意、殺意、憎悪に満ちた。常に神々の欲望に人間やそれ以外の知的人種を蝕み、ただ破滅させること、それだけを神々は望んだ。



この世界が生まれて一億年、


主神と呼ばれていた二柱の神と五柱の上級神達によって。他の世界から隔離された箱庭世界であった。



《上級神》


悪神・火之神ボールケイダス


悪神・水之女神アクアゼーレス


悪神・木精霊神アーチレンボス


悪神・金属神クラローフィ


悪神・大地の呪い神ターナフ



《主神》


悪神・太陽神ガーナタシア



悪神・月を司る女神カーレブ



青年レンは人間でありながら、神々に比肩する程の力を持って産まれた。


破壊神、悪神、強欲神、邪精霊達をも、神々を唯一封じる力を持っていた。創造神が造りしカードにを手に。


たった一人で封じた。



あれから100年の歳月が流れていた。



今や、人間の神と。呼ばれ。


たった三柱の善神の使徒であると。弱っていた中立神含む、五柱の神々にて、強引に認められたレンは、神格を与えられた。


その為、人でありながら、不老不死となり青年のままその姿が固定されてしまう。


やがて従属神、亜神として認められてしまった。




そもそもこの世界は、77柱の神々によって運営されていた。


それを封じたらどうなるか……。



レンは人間でありながら、創造のカードの契約者にして、神の一柱に数えられてしまった人間である。


「………僕にも休日は必要だと思うんだ。………神々の堕落には参ったね」


しみじみ呟くレンの背中は。哀愁漂う中年管理職のような、俗にサラリーマンの月末のような感じだった。


「僕が居なくなった方が、この世界の神々も、少しは真面目にやるかもしれない………」


あくまでも希望的観測である。内心無理だろうな………、そう思いながら、


やってくれるといいな~


位には、半分諦めていた。



「1000年位遊ばなきゃやってられないよ」


レンは決意を決めた瞬間に、膨大な魔力が時空魔法を発動させていた。



この日、従属神でありながら、主神よりも力を持っていた亜神レンは、



【アースガルド】の世界から消え失せていた。



善の主神ゼハーレス


善の女神マルカーリア


善の大地の女神ファナン


「「「………レンが消えたぞ、やばくね」」」


穏やかな世界、命溢れる優しい世界となった。その世界から、


世界の管理者たる。


人間の従属神レンは消え失せてさまった。



これにより善神の三柱と中立神の女神姉妹は、多忙を極めたのは言うまでもない。


善の主神ゼハーレス


「レ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ン、かんば━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━っく」


叫んだとか、叫ばれたとか、レンが知る事はない。


従属神になってから初めて、普通の人間として、ワクワクした顔をして、楽しそうに笑っていたのだから。









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ