娘。
葬式。愛していた人が亡くなった。まだ若い。早死にというやつ。結婚はまだ。子供もまだいなかった。
涙が止まらない。周りを気にせず泣き喚く。周りからもすすり泣く声が聞こえる。親より先に亡くなるなんて。
娘は申し訳ないと思っているだろう。先に天国に行ってしまったこと。孫の顔をみせられなかったこと。自分ひとりのためにこんな大勢を集めてしまったことなどを。娘はそういう性格のひとだったから。
一人っ子だったこともあり異常なほど可愛がってきた。孫の顔はもう見られない。拠り所はもう何もない。何でも話せる人はもう誰もいない。
でも娘が100歳までは生きることが出来て本当に良かったと思っている。私がちょうど娘を産んだ年齢だから。私が初めて母親になった年齢だから。