奇跡の果ての自己紹介
目が覚めると、目の前に絶世の美女の顔があった。
目線の方角や高さ、自分の後頭部にある柔らかい感触から察するに、どうやら自分は膝枕をされているらしい。
というか、物凄くスタイルが良い。
ボン・キュ・ボンのプロポーションが完璧な体。
彫刻なみに整っているウルトラ美人な顔。ダビデ像のような綺麗さだ。
いや、違う、ダビデ像は裸の男だった。どうも異世界転移の影響か記憶がやばそうだ。
そしてなにより胸。どれ位とは言わないが、思春期男子には刺激が強すぎる。
・・・・・はぁ!?
ちょっと待て、自分が何をしていたか思い出そう。
確か俺は召喚の準備をしていたはずだ。何体かスライムも召喚出来たはずだ。
最後の召喚から記憶がない。ということはマナ切れか・・・
「ようやく起きましたか、ご主人。
召喚されてそうそうマナ切れで倒れられるとは思っていなかっ
たですよ。」
「ちょっと待て、自分がどういう状態か全く理解出来ていないん
だが・・・」
「…お互い、自己紹介から初めましょうか・・・」
と、いうことで、自己紹介タイムだ。
「俺の名前は雨宮 優。
歳は17歳、一介の冒険者目指していたんだが…
何せステータスが物凄く酷くてな。召喚以外まともなのがな
い。それについては後で見せよう。
取り敢えずこれで終わりだ。」
文字でよかった。緊張でガクブルしてるぜ。
一応、転移者だということは伏せておいた。
ラノベだと言うと面倒なことが絶対起きるパターンだからだ。
「なるほど、大体想像通りですね・・・
その体付きから察するに、ご主人は転移者ですね?」
ふ、普通にバレてたー!!
ていうか想像通りって何それ怖い。
「次は私の番ですかね。
私は吸血鬼一族の、姫と言ったところでしょうか。
私の名前はクラウス・セイクライヤーですが、新しい名前を付
けて欲しいですね。」
吸血鬼、キターー!!!!!
大抵こういうタイプのキャラは魔法が滅茶苦茶強くて、近接戦はムリだろ、とか思って突撃すると近接戦も強いタイプのキャラだ!
「名前を付けて欲しいです。」
とはいってもな~いきなりいわれても
「しばらく考えるから、取り敢えず吸血姫で。」
「何かウルトラ雜ですね。待遇改善を要求します!」
「後でな。」
「ステータスについても説明をしておきますかね。
かなり魔法は使える方です。」
ほらね、やっぱり。
「ですが、初級魔法しか使えません。」
はい?もう一度お願いします。
「だから、初級魔法しか使えないんですよ!」
だが、そもそも俺は良く魔法のシステムを知らない。
ここは是非聞いておくべき所だろう。
「まず、魔法は色々な属性に分類されます。
7つの属性があるということはギルドでも説明されたと思います
が、派生属性の話はされてないと思うので説明します。」
なるほど、それぞれの属性に派生がある感じか。
「それぞれ、火属性→雷属性
水属性→氷属性
土属性→樹属性
光属性→聖属性
闇属性→魔属性となりますね。」
「風には派生属性はないのか?」
「今のラインナップを聞いてもらうと、エネルギーの使い方等
が近い属性達であると分かると思います。
しかし風属性はあまりにも色々な形に変形させられる為、上手
く派生を絞れなかったのですよ。」
なるほど、納得だ。
「そして魔法には三段階の威力によるランクがつけられていま
す。それぞれ初級、上級、最上級となっています。」
理解した。
本題に戻るとしよう。
「以前はバリバリ最上級を三発連続使用したりしてたのですが…」
(それは大層怖かっただろう、主に相手が。)
「ちょっとヤバい奴と戦って負けて、呪いをくらいまして」
(ちょ、勝てない相手は挑んじゃダメでしょ!?)
「呪いの制約について説明したいと思います。
1、呪いをかけた相手について言ってはならない
2、誰かに召喚されない限り実体化の禁止
3、上級、最上級魔法の使用の禁止。また、身体能力の大幅な低
下
4、召喚出来るのは7属性の適正が全てC以下でなおかつ全ての
武器適正がB以下」
「聞けば聞くほどヤバい呪いだな、それ。
解除する方法ないの?それ。」
「召喚主からのキス」
「はい?」
「だから、召喚主(笑)からのキスによって解けます。」
「絶対チゲーだろ、それ!
ていうか召喚主のあとに何か付けただろ、今!」
「魔力量とかはどうなってるの?」
「魔界で暇な間ずっと貯めてたからかなり余裕はありますよ~」
(魔界暇なんかい!)
「超回復とかあるの?」
「魔力と臓器がどれか半分位残っていれば再生可能です。
但しそれだけ回復するとなると魔力が半分程もっていかれるの
で、継続戦闘は100%ムリです」
(何か使えるのかどうか非常に訳分からん感じになってきたな!?こんなで大丈夫か吸血姫!?)
なんだかんだいって世界最強クラスの吸血姫を引き当てた雨宮。
彼は知らない。それを引ける確率が姫の気分で大幅に変わるということを。
そしていくつもの可能性がありながら世界最弱の召喚士にわざわざ召喚されに来たことを。
彼はまだそれをわざわざ行った意図も、この世界の理のことも全然知らなかった。
大分時間を開けてしまいました。
もし読んでくださっているかた、いらっしゃったらすみません。
さて、今回から少しずつ分量を増やしてあります。頑張って書いていきたいと思います。




