最初の邂逅
気が付いたら草原に寝転んでいた。
声に出してから気が付く。トンネルの先にいったはずなのになぜ草原のど真ん中にいるのか。
「つ、つつつつまりこれって・・・!」
常に開かれたラノベがあるスマホを持つ、重症の中二病患者だからこそわかる。つまり、この
シチュエーションが意味するのは・・・
「異世界転移、来たーーーーーッッッッッッッッッッ!!」
しばらくその草原には、中二病患者の狂ったような歓声が響き渡ったのだった。
天文学的なまでの確率で発生する・・・かもしれない異世界転移を、雨宮はその剛運で見事、引き当てることに成功した。
「しっかし、これからどうするかねー」
勿論、冒険の書的な奴はない。ガイドや道しるべなどは一切なし。独力で自分の生きる道を切り開いていく必要がある。
「まずは初期アイテムの確認っと」
かっこつけてみたが、要するに持ち物チェックである。
結果・・・スマホ→電池残量が8パーセントを切っている状態。つまり使えない。
かばん→なんてことはないフツーのカバン。
所持金→100円玉が5枚残っている。定期もあるが、使えない。
テスト→過去最低の結果を記録した、永遠に見たくない紙切れ。
とりあえずテストは破棄する。丸めて投げる。
「なんか使えるものが致命的に不足しているような・・・」
仕方ないので、最後の項目に行く。
「とりあえず、最寄りの街を探そう。」
幸いなことに、現在地から約200メートルほどの距離にひとつ、中規模の街がある様子なので とりあえずいくことにした。
「すみませーん。」
とりあえず近くにいた村人Aにこえをかけてみる。
「なんだい兄ちゃん、ここらじゃ見ない顔だね。」
この世界には黒髪に黒い眼は少ないのだろうか。だとしたら
「黒目黒髪の清楚系も好きなのにっ!」
「どこむいてしゃべってんだ?この兄ちゃん。」
そこでようやく正気に戻った雨宮は、情報を得るべく尋も・・・んではなく聞き取りを始める。
「村人Aさん、この街の名前はなんていうんだ?」
「村人Aってなんだ?ていうかあんた、街の名前すら知らずに来てたのか。
ここはガリステア国の端、シュメーラの街だ。」
ここはガリステア国、というらしい。
「ここには冒険者ギルドってあるか?」
「おかしな兄ちゃんだぜ。この国の街規模のところには、常に冒険者ギルドはあるぜ。
この街の簡単な地図あるから、もってけ。」
「ありざーっす」
と言って意気揚々と大通りを歩いていく。
後には残された村人A、改め武具屋の店主が一人、首をひねっているだけだった。




