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召喚オンリーで異世界征服  作者: 眼鏡 二世
第一章:異世界によばれました
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男のロマン!

「おお、いいぞいいぞ、もっと足止めしちまえ!」

大規模な土砂災害決行の指示を出した張本人、雨宮はその惨状を見て嗤った。それを見て冒険者からざわめきが漏れる。

「おい、やばい奴がいるぞ...」

「ホントだ...俺関わりたくねぇな。」

「あんなでも今回の作戦の立案者なんだってよ。」

「マジかよ。」

「やかましい!全部聞こえとるわド阿呆!」

敵軍の状態を見れば、いまだ土砂災害のせいで足止めを食らったまんまだ。

「で、俺たちはどうすればいいんだ?」

痺れを切らした冒険者たちが詰め寄ってくるが

「まあまあ、指示出すから。」

と不気味に微笑んで、のらりくらり。

「マスター、そろそろ仕掛けるんだろ?準備しとこうよ。」

「そうだな...ではまずはじめに采配を・・・そうそう、そんな感じで・・・」



[魔族視点]

訳が分からない。

それが敵の手口を見た第一印象だった。独自ライも、土砂災害も、確かに被害は出るがせいぜい部隊の2パーセントほどにしか影響を与えることができないのだ。

怪しい。怪しすぎる。

「あのー、長官。後列がこれ以上進軍できなくなって、今後衛部隊が右往左往してるんですがどうすべきでしょうか?」

「何故だ?ここまで一定の速度で進軍してきたはずだろう?」

「それが、前列のほうの進軍が滞って...」

「誰か、この周辺の地図をもってこい。」


地図を眺める。

「この草原で、一回軍を立て直すとしよう。」

「あと少ししたら確かにつきますな。」

「だろう?全軍、草原に向かって急げ!」

といいつつ、長官の頭の中には疑念しかなかった。草原は全軍が入るとちょうどいいぐらいの、長方形っぽい形だ。そこが、どうにも怪しい。

しかし今打てる中では最高の一手だ。やな予感を隅に追いやった...


「魔族の三人には人間に攻撃させよ!」

こうして、戦いは最終盤面へ突入する...。


[雨宮視点]

上手く敵が策にはまってくれていると思われる。

「さあ冒険者の皆さん、出陣のときです。無理に殺す必要はありません。後、素材はどうせ取れないので、魔法で滅多打ちにしていただいて構いません。出陣!」

こうして、人間軍主力部隊が敵勢に向かって放たれた。


「やべ、ありゃあ魔族だな。おい坊主、どうする?」

「とりあえず三人向かってきてるので、魔族っぽいのに[鋼の絆]が、魔族っぽい奴に[]が、残りに武具屋のオッチャンが当たってください。」

「ちょっと待て、俺一人なんですけど!?」

「あー、武具屋のオッチャンなら大丈夫大丈夫。今回は結界も貼られてるし、なんかどうか一人でもやりあえるさ。グッドラック!」

雨宮が言っている言葉に少し補足を加えるとすると、今回は大規模な戦争用に事前にひたすら強化呪文がかけられている。たとえば筋力強化、効果、身代わりの結界などだ。これらはアホみたいに魔力を食うため、短期決戦向きの呪文だ。

「相変わらず雨宮はえげつない注文をしてくれるもんだぜ。」

とジルが答えれば、

「全くだ。」

とエヴァンズが答える。いやあんたに何もしたことねえだろ。


強化全力人間たちが敵軍を必死で食い止める間に、最後の作戦へ。

「姫、いけるか?」

「もちのろんさ。」

「古い!言葉遣いが古いよ!」

さあ、魔法のお披露目だ!



[村人A...改め武具屋のパウエル視点]

あの坊主、何考えてやがる?

さっき、あの坊主は低い声だったが確かにこういった。「便利な道具化してやるから、魔族どもを草原まで押し込んでくれ。」と。

勿論いくらその道具、光属性の結界があったとしても拘束できるのはほんの短時間だ。


さらに、持続時間が短いと知っていてこんなに支援魔法をかけるのもおかしい。普通はもっと絞って、厳選して欠けるものだ。これがあるおかげで何とか戦えてはいるが、魔法が尽きた瞬間に形成は一気に劣勢となる。それがわからないわけでもなかろうに...

考え事をしつつ、手は止めない。

自分自身の獲物である重量級の長剣を扱いながら、冷静に、確実に相手にダメージを蓄積させていく。

対して相手の攻撃は自分には通らない。ある意味無敵のようなものだ。

「ははっ、こりゃあいい。」

小さな攻撃はあえて受けて、その代わりに重く鋭い一撃でカウンターできる。相手が魔族であろうと、その条件なら優勢に立つことは簡単だ。


とその時、退却の鐘が鳴った。

あわてて光の結界を出せる魔道具を投げつけ、相手を草原内に閉じ込める。見れば、[鋼の絆]と[疾風の翼]も同じように封じ込めていた。

二チームともなかなか悪くない動きだ。なーんてのんきなことを考えながら空を見ると。

巨大な魔方陣が、空に浮かんでいた。


「六層の魔方陣!?ありえねえ!」

「これ、もっと下がんないとまずくね?」

「うわぁぁぁぁ!急げ、全員撤退だ!全速力で走れー!」

大混乱だった。



[雨宮視点]

魔法の威力と、魔方陣について説明しよう。

魔法は、魔方陣を書くことで発動できる。人々はそれを呪文などに置き換えて発動してるわけだ。

そこで、魔方陣の数が威力に影響を及ぼす。

魔方陣を積めば積むほど強力になるのだが、双を重ねるごとに約16倍ほど難しくなるようなのだ。ゆえに、三層まではできる魔法使いが多くても四層からはぐっと減る。


さて、

「其は紅蓮・其は爆炎・汝、我が炎のもとに燃え尽きよ・敵を骨の髄まで燃やし尽くせ・我が名のもとに!エクスプロージョン!」

「フォース!」


さて、説明しよう。

今回とった作戦は、いわゆる殲滅戦だ。

相手がとった先方は古代ローマのファランクスのようなものだ。つまり、正面の敵にはめっぽう強いにもかかわらず、範囲攻撃には弱い陣形なのである。

なので足止め形式のトラップを多く配置し、敵の陣営をさらに一点に集めた。

そして、古今東西強力な範囲攻撃ときたら爆撃魔法である。主に男のロマン的な意味で。

それはもう大変に中二病が入ってしまい、おらない詠唱をしてしまうほどだった。

...ほんとはあれ、エクスプロージョンでよかったんだよね...


姫のフォースは、何か特別な力があるわけではなく、ただ前の魔法を四倍にしてうつだけの無属性魔法。

しかし難易度とバカみたいに魔力を喰うせいととんでもない集中力が必要なせいで、多分人間には無理、というゲテモノだ。



そして今、軍は壊滅しかけている。...敵も味方も。

本来魔方陣は五層でうつ気だったのだが、これが六層になってしまった。つまり、範囲と威力がアホみたいに増えたのだ。そして必然的に魔力の消費量もアホみたいに増えた。



結果...

「またマナ切れで地面とキスかよ。気絶していないのが救いか。」

「私、魔力切れを起こしたの人生で二回目...」

魔力切れだった。






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