君に伝えたいこと…
「青人。飲み物、買って来てくれる?私…先に電車に乗ってるから‼︎」
私は、微笑みながら青人の帰りを待っていた。
だが、少し顔が強張っていた。
私は、青人のことが好きなのにこの想いを伝えられないから…。
青人は、皆の人気者で…だから、幼馴染でも私のことはあまり優先してくれなかった…。
私は、あまりにも青人の帰りが遅かったから二人のりの席で待っていた。出発時間の五分前でも来なかったから窓ガラスに指で名前を一つ書いていた。
「青人に気持ちだけでも、伝えたいな…」呟きながら、窓ガラスに書いた文字を消した。
「待った?自販機がどこにあるかわからなくて…探してたら遅くなっちゃった…」
「自販機って、駅のホームの近くにあるよ…(笑)」
友達のままで、青人の前にいるけど、私の気持ちを隠しきれてるのかな…誰にも気づかれたくないな…。
こんなに、片思いが辛いなら…私のこの胸のドキドキを返して…青人に秘密を抱えて窓にもたれかけていた…。
電車の風景が変わっていくと私は、涙を流していた。
「どうしたの?ののが泣くなんて、珍しいじゃん。」
「っえ?あくびでたから、だよ…」
あくびのフリでごまかしたけど、本当は泣いてるんだよ…
外を眺めていれば、とまるかな…?
青人の側にいると、どうしてか辛くなる。いつも近くにいるあの子が話していた青人の癖とか知ってるからかな…
いつか、結ばれる夢を見たくなる…。
青人と出会ったのは、いつだっけ?
確か、小学校の入学式だったかな。入学式で転びそうになった私を青人が助けてくれたんだよね…
どうして、記憶の中であの日が輝いてるんだろう…
「青人…私…青人が好き…」
「え…ごめん…俺、好きな子がいるんだ。」
「そっか…そうだよね…嘘…冗談だよ…(笑)」
本当は好きなのに…大好きなのに…。
また、秘密を抱えてしまった。
「…大好き…」