表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/24

二人の過去

ジャービスとジュリアという新しい仲間を迎えたトラヴィス達はスティールの酒場を後にした。

「ジャービス殿はベネット様の指導を受けていたのですよね?」

ジャービスはトラヴィスに話しかける。

「ああ。自分でもこんなことナンだけど、俺がここまでやってこれたのもベネット様のおかげさ」

「僕はベネット様のことはあまり知らないのですが、トラヴィス殿から見て、ベネット様はどういうお方なのですか?」

ジャービスとジュリアはスティールからベネットのことは聞いているものの、鍛練に励んでいたために詳しいことは聞いていなかった。

「そうだな。俺にとってみればかけがえのない師匠さ。ベネット様を慕っているのは何も俺だけじゃない。そうだろ。グライムズ」

トラヴィスは自分の目から見てベネットがどんな存在かをジャービスに話すと、頭をグライムズの方へ振り向ける。

「ああ。ベネット様を慕っているヴァンパイア・スレイヤーは多い。もし、機会があったら会ってみたいか?」

グライムズは首を縦に振り、ジャービスの方へ振り向ける。

「はい。是非とも」

ジャービスは首を縦に振る。

「それならばあたしも会ってみたいわね」

ジュリアは話しに加わる。

「そうだな。ジュリアも機会があったらベネット様に会わせてやりたいな。君の好きなタイプだと思うよ」

「なら、今すぐにでも会ってみたいわね」

ジュリアは笑みを浮かべる。

「ところでさ。トラヴィス」

ジュリアは頭をトラヴィスの方へ振り向ける。

「ヒョンなことを聞くようだけどさ。あんたは何でヴァンパイア・スレイヤーになったの?」

ジュリアはトラヴィスにヴァンパイア・スレイヤーの道へ歩んだ訳を尋ねる。

「どうしてそんなことを?」

「聞いたら悪いかしら?」

「理由は単純さ。親父とお袋の弔いのためさ」

トラヴィスは自分がヴァンパイア・スレイヤーの道へ歩んだ訳をジュリアに話す。

その訳を聞いたジュリアは数秒ほど口を閉ざしてから、フッと笑みを浮かべる。

「あたしとあんたは似ているわ」

ジュリアは元々農場主の娘であった。が、スティールと出会う三年前に、吸血鬼達の襲撃を受けて父親と母親、その上に妹までもを失ったのだ。

幸いジュリアだけは何とか助かったものの、しかし、家族は殺されて何故、自分だけが助かったのか…。

何もかも失ったジュリアは自害しようとしたものの、その時にスティールと出会い、彼の元に拾われたのだ。

それはジャービスも同じであった。

ジャービスは元々貴族出身の人間であったが、吸血鬼の脅威に恐れをなした(ジャービス)の父親は、ノスフェラトゥと手を組み、いつしか人間に手を加えるようになった。

父親のやり方に付いていけなくなったジャービスは家を飛び出し、やがてはスティールと出会いヴァンパイア・ハンターの道へ歩んだのだ。

この二人がヴァンパイア・スレイヤーの道へ歩んだ訳は自分とグライムズに似ていた。

「二人にこれだけは忠告しておく。吸血鬼共はお前達が思っている以上に、残忍でしたたかだ。よく覚えておくんだ」

ジャービスとジュリアはグライムズの警告を肝に命じた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ