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新たな仲間達

翌朝、グライムズはスティールにトラヴィスが承諾したことを伝えた。

「良かったよ。これであいつらも更に力を付けるだろうな。しかし、本当にすまないな。お前達の足を引っ張るやも知れないが…」

「いや、いいさ。で、その二名は俺達と同行できる準備はできているんだろうな?」

スティールは頷く。

「ああ、もうできているぜ」

すると、

「グライムズ殿ですね?」

自分の背後から誰かが自分の名を呼んだ。グライムズは頭をその方へ振り向ける。自分の背後には、自分やトラヴィスより年の若い一人の青年が立っていた。

「君は?」

グライムズは尋ねる。

「僕はジャービスと申します。これからあなた方と同行できて光栄です」

ジャービスは自分の名を言って、片腕をグライムズを差し出す。

「ああ、よろしくな」

グライムズはジャービスと握手を交わす。

「あなたのことは、スティール様から色々と聞いております。何かと足を引っ張ってしまうことあるかも知れませんが、よろしくお願いします」

ジャービスはグライムズにペコリと頭を下げる。それから何かを思い出したように手をポムと叩いて、その場から去った。

ジャービスの姿が見えなくなってから、

「あいつは礼儀正しく真面目なタチだが、ああ見えても多くの吸血鬼を葬っている。ま、俺から見れば未だ未だだが、お前さん方と同行させることでより力を付けるだろうな」

スティールはジャービスのことをケツの青いヴァンパイア・スレイヤー、と言っているが、ジャービスが一度も吸血鬼退治の経験がない訳ではない。

スティールの言う通りジャービスは多くの吸血鬼を葬っているのだ。

「で、もう一人は?」

これから自分達が同行させるヴァンパイア・スレイヤーは二名であるが、もう一人のヴァンパイア・スレイヤーとは未だ対面していない。

すると、トラヴィスが見知らぬ娘をと共に自分達の方へ歩いてくるのが見えた。

「トラヴィス。その娘は?」

トラヴィスが質問に答える前に、

「グライムズさんですね?」

娘は自分に尋ねる。

「ああ、そうだが、君は?」

「私はジュリアと申します。未だ未だ経験不足な身ですが、あなた方と同行できるなんて光栄です」

ジュリアはグライムズに自分の名を言う。

「ところで、トラヴィスとはいつ会ったんだ?」

ジュリアはフフフッと軽く笑い、

「部屋でいつまでも寝てるから私が叩き起こしたんですよ」

「何?」

ジュリアの言葉にトラヴィスは、

「いやね。部屋で寝ていたら突如、彼女が部屋に入ってきてほうきで二、三回殴られたんだよ」

少々恥ずかしそうな表情を浮かべる。

「あのね。グライムズさんが早起きしているってぇのにあんたがいまでものグースカ寝ているからでしょう。それに私は親切で起こしてあげたんだからね。そんな言い方されたくはないわ」

ジュリアはトラヴィスのズケズケと言う。ジュリアはトラヴィスと年が近いためか、彼にはため口を聞いていた。

ジュリアはジャービスと違ってかなりおてんばな性格であった。

「それにあんた、腕利きのヴァンパイア・スレイヤーなんでしょ。だったらあたしのことをしっかり守ってよね?」

「おいおい、君もヴァンパイア・スレイヤーなんだろ?」

「そうよ。けどね、あたしは“乙女”って立場なのよ。男ならば女を守るべきでしょ?」

トラヴィスはジュリアの言葉に苦笑いを浮かべる。

「それとも何、あんたはあたしが好みじゃないのかしら?」

「そんなことないさ…」

二人のやり取りにグライムズは思わず笑ってしまった。

「これから楽しくなるな。お前の頼み事を聞いてよかったよ。スティール」

ジャービスはともかく、ジュリアの様なタチのヴァンパイア・スレイヤーは見たことがない。

ベネットの元にもいないタイプで、グライムズから見てジュリアは中々面白い存在に思えたのだ。

「お前も随分と個性的な奴を育てたものだな。スティール」

グライムズは頭をスティールの方 へ振り向ける。

「ジュリアは特別だ。こいつほど個性のある奴はそういねえぜ」

数秒後、彼らの元にジャービスが戻ってきた。

自分はこれからグライムズのみならず、この新しいヴァンパイア・スレイヤーを迎えるのだ。








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