表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
22/34

<二十一>時刻到来

<二十一>時刻到来


 約束の時間、遂に午後一時となってしまった。華子は焦りに焦ってうろうろとそこら中を歩き回った。 今、自分が持っているタヌキのぬいぐるみを時々見て目に焼き付けないと、だんだんとレッサーパンダがどれもタヌキに見えてきてしまう。その時華子は、遠目に一匹だけ感じの違うぬいぐるみを発見した。 三十歳前くらいの精悍な感じのする男性が手に持っている。


――やった! あれだ。間違いない。


 華子は近くまで行き、タヌキのぬいぐるみをその男性の顔の前に上げて見せた。その男性はやや西欧風の顔立ちだ。自分の手に持っているぬいぐるみを見てそれから華子のぬいぐるみを見た。それから首を傾げて横を向いてしまった。

 華子は念のため英語で話した。

「こんにちは。あなたのタヌキのぬいぐるみ。私のと同じね」

 その男性はまた首を傾げてみせた。


――おかしいな。英語がわからないのかな。本人だったらたしか英語は出来る筈なんだけど……。


 華子はもう一度繰り返した。

「あのう。ぬいぐるみが同じ……」

 すると華子の言葉にかぶせるようにその男性は言った。

「ではありません。私の持っているこれは、アライグマですから」


――ぶうっ、やだ! 紛らわしいもの持つなって! てか、本当に居たよ。アライグマのぬいぐるみ持ってる大の男が……。


 そして華子は、かえってゴンザレスがアライグマと間違えて目印をタヌキにしてしまって良かったと思った。この状況で、同じアライグマを持った男が居たら、恐らく必死で食い下がって貴重な時間を浪費してしまっていたかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ