始まりへ
守るべきものの場所へ
しかし、その場所にはコスプレをした2人!?
「では、急ぎましょう」
奏はそう言い放つと手招きをし走り出す
「奏、いくつか質問いいか?」
「ええ、私にお答えできる事でしたら」
「あの夢を見て、今闘ってるのは何人いる?」
「少なくともあなたを含めて6人はいます、その内私たちの仲間は4人います」
それはこちら側が人数的に有利を意味していた
「しかし、私たちは夏音さんを殺されたらそれでおしまいです。戦況は苦しい状況にあります」
「てことはずっと夏音の護衛をしなきゃってことだろ、無理があるだろ」
「ご心配なく、夜の護衛は交代交代で、昼の護衛はフリーターの仲間がいるのでその方に」
なんと悲しき現実だよ、その方には後で差し入れを持っていこう。
「あと少しで到着します、まだ、聞きたいことはありますか?」
「夏音について詳しく教えてくれ」
「それは目の前の能力者を倒したあとにゆっくりとね……おっと、そこは危険です」
胸を押されよろめくと先ほどいた場所に鉄棒が突き刺さる
奏の話に集中していたせいか、目の前で起きている地獄に気がつかなかった、いや、脳が拒否していたようにも感じられた。そこには予想外の光景が広がっていた
「……何で、2人ともコスプレしてるんだよ」
そう、闘っているのはコスプレをした男女だった、勇者のコスプレをした男は息を切らしていて魔女のコスプレをした女のほうは余裕の笑みを零している
「理由は簡単です、見分けをつけるためですよ」
だから、なぜコスプレをしているんだって聞きたいんだけど、コスプレ以外の方法もあるだろ
「今回、私たちは戦闘に参加しなくても大丈夫そうです
魔女のコスプレをした方は味方の半袖さん、勇者のコスプレをした方は他の考えを持つの長袖さんです」
「んお、奏ちゃん!やほー……て、あなたは誰?」
非常にテンションの高い人だった
「えーと、折紙だ、仲間なんだと思う」
「じゃあ、歓迎会しよ! すぐ片付けるからね」
何その、部屋が散らかってるからすぐ片付けるね的な会話は
「こっちの台詞だ半袖」
半袖の真上にあった看板がいきなり落下する
「無駄なあがきね」
看板が当たる寸前に看板が消滅する
「さて、これで終わりね、遺言はさっきのでいいよね」
「ぐっ………」
「半袖そこまでにしてください、彼には伝言を頼みたいのでね
長袖、そちらのリーダーにお伝えください。絶対に夏音さんは殺らせないと、それでも殺る気なら……容赦はしない」
影で奏の顔が見えないが獣のような目をしているのだろう、守るべきもののために
奏が言い放つとよろめきながら長袖はこの場を後にした。
「では、約束通り夏音さんのお話をしましょう」
「違うよー、歓迎会だって!!」
一つだけ分かったことがある、半袖って人はいちいち雰囲気をぶち壊す人だった。