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第三話  枯れない涙

 

 

「はぁ・・」


・・学校の帰り道。

隣には誰も居ない。

いつもは必ず安曇がいるんだけど、今日は違う。


 『ゆ、悠馬・・。』


・・今さっき言った安曇の声が、言葉が、耳から離れない。

・・胸の中がもやもやとして、行き場の無い苛立ちとあせりがさっきからずっと私を支配している。

こんな気持ちになったのは初めてだ。

本当に本当に初めてだ。


 「・・私、どうすればいいんだろう・・。」


 ・・安曇の好きな人なんて一度も聴いた事が無かった。

・・だから、本当は応援したい。

心の底から「頑張れ」の気持ちを伝えて、冷やかしたり、真剣に悩みを聴いたりしてあげたい。


 (・・だけど・・)


・・よりによって同じ人を好きになってしまった・・。

よくドラマや漫画で三角関係とかあるけど、まさか自分の身に起こるとは思ってもみなかった。

・・いや、思いたくなかった。


 ・・悠馬の事は好きだ。

だけど、それと同じ様に安曇も好きなのだ。


小さい頃から一緒にいた安曇は、まるで私のお姉さんの様で。

いつも面倒見がよくて、私が男子にからかわれた時だっていつでも味方してくれた。


・・それなのに、今はライバル同士になってしまった・・。


 「・・ほんと、どうすればいいんだろう・・。」


・・さっきまではただ驚いただけだったけど、後から冷静になって考えてみると辛くなる。

目の奥がぎゅっと熱くなった。

抑えきれず涙が溢れる。

私は沈みかかった夕暮れを背に、一人で涙を流し続けた。


 ……


 「ただいまー・・。」


ガチャリとドアを開け、家に入る。

まだ涙は止まらない。

お母さんには見られたくなかったので、私はすぐに階段を上って自分の部屋に飛び込んだ。


 「あぁーー」


ベットに倒れる様に寝っ転がると、気が緩んだのか、さっきよりも涙が溢れてきた。


 「・・・・っく・・ひっく・・・」


嗚咽が自然に外へ漏れる。

・・涙が止めどもなく頬を伝い、落ちて、布団を濡らしていった。

私は我慢する事も忘れてただ、涙を流し続けた。


 ……


 ・・・私が悠馬の事、好きって言ったときの安曇の顔・・。

今まで見たことも無いくらい、驚き、戸惑い、悲しみを隠せない表情をしていた。


 ・・悠馬の事は大好きだ・・。

優しくて、温かくて、他の男子とは比べ物にならないくらい格好良くて。


・・小さい頃、私が泣いている時に傍にやってきて、泣きやむまで一緒にいてくれたり、おどけた言葉を言って笑わしてくれた事、今でも鮮明に覚えている。

・・だって、それが好きになったきっかけだから。


 ーー・・きっと、安曇よりも私の方が悠馬の事が好きだと思う。

・・ううん、絶対そう。

それに、好きになるのだって私の方が早かった筈・・。

安曇と悠馬なんて、似合わないし・・・


 ・・って、何考えてんだろ、私・・。

安曇の事も、大好きなのに。

何て嫌な事考えてたんだろ、私の、馬鹿・・。


 ……


・・そんな事をぼんやりと考えながら、私はただただ涙を零し続けた。

・・何ていうか、とにかく泣きたかった。

悲しみも、驚きも、これからの事も忘れて、泣く事だけに意識を集中させたかった。

・・別に泣く事じゃなくてもいい。

ただ、何もかも忘れたいだけ。


  ・・次の日、目が腫れる事なんて考えもせず、私は時間と涙だけに身を任せた。


    ーーー・・お願い。今だけは、何も考えさせないで。



 ・・・ここまで読んで下さり本当に有難うございました!!><

そろそろ安曇視点でも描くかもしれません。・・どこまで関係を絡ませていくか、ここからが本番です!!・・あ~楽しみ・・(←へ、変態・・)



 ・・そ、それでは、ここまで読んでくださった貴方!!本当に有難うございました!!

・・とりあえず刹那は寝ます!(ぇ

・・そ、それでは!

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