第二話 かすかなヒビが入る音
第二章でございます!
今回はガールズトーク一色です!
どうかこれを読んで下さろうとしている皆様が少しでも楽しめたらいいな、と思います!><
「・・・はぁ~!!やっと帰れる~~!!」
・・授業が終わって安曇が大きく背伸びをしながら言った。
「そうだね~。あ~疲れた。」
私も続けて言って、軽く腕を伸ばした。
そんな私の行動を見て、安曇が
「・・何か、媛ってほんと可愛いよね~」
と言ってきた。
「・・え!?な、何急に・・。」
いきなりそんな事をいわれたので顔が火照る。
か、可愛いって、私のどこが可愛いんだっ!!
「・・ほら、すぐ赤くなるとことか・・。本当に羨ましいよ・・。」
「そんな事無いよ、それに私は安曇が羨ましいし。」
「え~!?私?!何でよ。」
「明るいし、元気だし、美人だし、前向きだし…」
「・・ちょ、待って、今美人って言った?!」
「うん。言ったけど・・」
「媛。そういう事は自分の顔を見てからいいましょうね?」
そう言って安曇は私の方に鏡を出してきた。
・・・鏡に映る私の顔・・。
なんていうか、普通。
「・・?」
「・・え、まさか媛、今まで自分の事可愛いとか一度も思わなかったの?!}
「・・うん・・。だって、普通じゃん。」
「・・・・・」
安曇が変な顔をしながら私の方を見ている。
何がそんなにおかしいのか、全然分からない。
「・・はぁ~~~~」
変な顔をしていたと思ったら、いきなり溜め息を吐く安曇。
な、何なの?!
「いいよね、媛は。自覚なくてもそんなに可愛い顔してるんだもんね。ブサイクの気持ちなんてきっと一生分からないよ・・。」
そう言う安曇だってとっても可愛いのに気づいて無いのかな・・と思いながら
「そうかなぁ・・。」
と言ってみる。
「・・そうだよ。ね、媛。アンタけっこう男子にモテるんだよ。知ってた?」
急に変な話を持ち込んでくる安曇。
何か今日の安曇は本当に変だ。
「・・だから・・・きっとアイツも・・・。」
・・そうポツリと呟いた言葉を、私は見逃さなかった。
「・・・ちょ、ちょっと待った!」
そうなるべく大きな声で話しを遮る。
「へ?」
と、安曇がこっちを向いた。
「い、今、「アイツ」って言ったよね・・。」
「・・ぎ、ギク・・。」
「安曇、好きな人いたの?!」
「や、・・その・・・。えっと・・・。」
「何で教えてくんなかったのー。私、そんなに信用ナイ??」
「ちょ、そんな事無いって!!信用が無いとか有るとか、そんな問題じゃなくて・・・。」
「・・安曇に好きな人いるんなら私だって言ったのに・・。」
「・・え・・?!」
今度は安曇の耳がピクリと動く。
・・しまった、と思った頃にはもう遅かった。
「え、今なんて言った?!」
立場逆転。
うっかり口がすべってしまった。
・・安曇には、まだ悠馬の事を言っていない。
・・というよりも、いえないという方が正しいかもしれない。
「そ、その・・。」
「何だ、媛だって好きな人いるんじゃん!」
「そ、そういう安曇だって!」
「媛だって!」
「安曇だって!」
「媛だって!」
「安曇だって!」
・・私達は、もうあとにもひけない感じになって、そんな事を叫び続けた。
・・ハァハァと息が切れてきたころに、安曇が言った。
「・・・あ~!!もーいいや!!この際だから言っちゃいます!!!・・だから媛も言ってよね!?」
私も何かもうどうでもよくなってきたので、
「・・うん、い、いいよ。」
と返事をした。
「・・・じゃあ、いっせーのーせだよ?!・・・いっせーのーせっ!」
「唐筑 悠馬・・。」
「ゆ、悠馬・・・。」
・・最初に言ったのが私。
二回目に言ったのが安曇・・・って・・・・。
『・・・ええっ?!』
安曇と声が重なる。
・・え、ちょっとまって。
本当に悠馬?
安曇も悠馬の事が好きなの?
・・そんな、え、ちょっと、どういう事?!
だって、私達は幼馴染で、皆家族みたいな感じで・・。
仲良しで、特別な絆があって、中学になった今も同じクラスで、何も変わらなくて・・・。
・・ああ、もうよく分かんない!!
どうしよう、どうしよう、私達、同じ男好きになっちゃったの?
しかも・・よりによって悠馬・・。
……
・・何かに、ヒビが入る音。
聞こえたのは私だけ?
・・そう、これが、私達の関係が崩れる、最初の突破口。
・・ど、どうだったでしょうか・・。
おそらく第三章は次の日曜日頃になるかな、と思っております!
感想・御意見等、書いて下さると本当にうれしいです!d(;w;)b
それではここまで読んで下さり、本当に有難うございました!!(TⅴT)