天然なのか…仕返しなのか…どっちだよ⁉︎
オレは、奈織という女の子に一目惚れした。
去年は、隣のクラスだったから、話すきっかけすら、なかった。
でも、今年は同じクラス‼︎
結構、よく話す。
でも、もっと話したいオレは…
ちょっと髪型をワックスでイメチェンして、なにか話すきっかけが欲しくて、わざと放課後の廊下で、こんなことを言ってみた。
「奈織先輩、ぼく…先輩のこと好きになってしまいました」
って。
そしたら、笑ってくれるかなって。
だって、オレたち席が前後ろだから、先輩後輩じゃなくて、同級生なんだもん。
なんなら、同じ班だし。
そして、お互い下の名前で呼びあう仲にまでなってるし。
そんな奈織は、
「そうなの?一年生かな?それは、ありがとうね。わからないことがあったら、なんでも聞いていいよ!校内案内全然するし」
って返してきたんですよね…。
え、これって…わざとかな?
それとも…ガチ?
もしかして、オレって…
クラスの一員として、認識されてない⁉︎
あぜんとしていると、奈織はオレをじっとみてきた。
そして…
もしかして、一個上のお兄ちゃんいない?って聞いてきた。
「え、いませんよ」
ってこたえると、奈織は…
「そっか、うちのクラスにきみに似た人がいてね、これがまたドジでさぁ。あはは、思い出すだけで笑ってしまう…くっ、くふふ」
と、笑ってきた。
これは、冗談返し?
なんなんだ?
よくわからないが…
「おい…奈織、オレだよ」
と、髪を手でくしゃっとなおし、ネタバレしてみた。
⁉︎って顔で、オレをみてくる奈織。
「えっ⁉︎稜?なーんだ。先輩呼びするから、てっきり後輩かと思うじゃーん。髪型違うし…」
…
「え、もしかして…視力悪いの?」
「あー、少し…ってそんなわけないよ‼︎てか、髪型違うし、声とかわざと違う風にしてきたから、だから…わからなかったのっ」
「ふーん、頭は悪いの…少しどころの騒ぎじゃないね」
「なんだとー⁉︎」
「ギャー、怪物が追いかけてくるー」
「待てー!」
こんな感じでオレたちは、仲良くやっている。
しかし…そんなある日の放課後、オレは部活のタオルを教室に忘れて、慌てて戻っていたんだけど…
⁉︎
奈織…とアイツだれだ?
廊下でなんだか二人で話してる…
しかも相手、上靴の色からして三年…
年上の彼氏かよ⁉︎
彼氏いたのかよ⁉︎って落ち込みつつ、そっと教室からタオルをとって、部活に戻ろうとしたら…
え…
奈織がひとりでいて、泣いてる⁉︎
な…
なんで泣いてんの?
まさか彼氏と喧嘩でもしたのか⁉︎
「奈織」
オレの声を聞いて、目をゴシゴシと拭く奈織。
「あ、稜じゃん。部活は?」
「あー、タオル忘れちゃって」
「そう。」
ポタッ
奈織のひとみから、涙がこぼれた。
⁉︎
やっぱり喧嘩したっぽい?
「奈織…大丈夫か⁉︎泣かされたのか?さっきの男に泣かされたんだな?あんなヤツと別れて、オレと付き合おうぜ‼︎オレなら奈織を泣かせない‼︎幸せにする自信あるから‼︎だから、オレと付き合おう」
…
奈織は、きょとんとしていた。
「えっ?ん?」
すると、そこにさっきの男が戻ってきた。
「奈織ー、これも渡すの忘れてたわー」
⁉︎
奈織呼び…
そしてアイツは…オレをみて、ぺこっとお辞儀をして、奈織に何かを手渡しして去っていった。
鍵⁉︎
鍵を渡すだと⁉︎
合鍵かよ⁉︎
なんで…
「ありがとうね、お兄ちゃん!」
⁉︎
お兄ちゃんだと⁉︎
お兄ちゃんとやらは、後ろ姿のまま手だけフリフリした。
お兄ちゃん…
「えっ?兄貴に泣かされたのか⁉︎」
「ん?泣いてないよ?さっきから、泣いてるとか、付き合おうとか…どういうことだろ?もしかして、目悪い?だれかと間違えてないかな?」
…
これは…この前の仕返しか?
それとも…
…
「目悪くねーよ。ただ…たださ、さっきいたのが彼氏なのかなって思って…泣いてたから…だから…」
「あ、泣いてないよ。コンタクトの調子が悪くてさ、わたしいっつもモノなくすから、お兄ちゃんがわたしのコンタクトの予備とか、持ち歩いていてくれてるの。てか、お母さんがいつも届けるの大変だからお兄ちゃんに預けてたっていうか…?だから、さっき届けてもらったんだ。」
「へー…てか、すぐモノなくすんだ。おっちょこちょいなんですねー。だから、鍵も直前に渡されるんだ?すぐなくすから」
「うん。でもね、なくさないものが、ずっとあるの。」
「なに?」
「好きって気持ち。」
⁉︎
「え…?」
「わたし、ずっと稜のこと好き。それは、絶対なくさない。さっき、オレと付き合おうって言ってくれて、嬉しかった。わたしも付き合いたい。」
…いきなりきた。
スルーかと思ったのに。
告白も忘れられたって思ってたのに…
「マジか、オレたち…両片思いだったんだな。なら、今日からよろしくお願いします‼︎」
「うん、よろしくお願いします♡幸せにしてね♡」
「うわ…がっつり聞いてんじゃん。」
「うん♡」
「わかった。幸せにする。」
「うん♡」
奈織を優しく抱きしめると、奈織が
「うわ…幸せ」
と、つぶやいた。
こんなんで幸せって言ってくれるのかよ⁉︎
「そんなんで幸せとかさ、奈織はチョロいなぁ」
「チョロいだと?ムゥ、じゃあ、もっともっと幸せちょうだい」
え…
どうすれば…
「ふふ、困ってる。なら、わたしからも幸せのお返し」
チュ♡
ほっぺにいきなりチューをされた。
「おっ♡なら、オレもお返しします」
チュ〜♡
「うわぁ♡こ、これは…幸せなお返しすぎるよ。今度、ゆっくりわたしもお返しするね!楽しみにしてて」
「おう」
「じゃ、部活頑張ってねー♡」
「うん。てか、もういっかい」
奈織を抱きしめて、キスをした。
部活…このままバックれちゃいたいなぁ。
「もう、部活行かなきゃじゃない?」
「うん、そうだけど…離れたくない」
「わかる。わたしも」
…
「明日、そっち部活?」
「ううん。わたしは、ないよ」
「なら…」
「「明日」」
「ハモんなや」
「あはは、それな。」
「じゃ、また連絡するわ」
「うん、まってる♡幸せ」
「連絡待ちで幸せとか、やっぱり奈織は、チョロいぜ」
「あはは」
「明日は、幸せが溢れるから覚悟しとけよな?」
「えー、その言葉だけで幸せすぎるよ…」
「チョロ」
「「あはは」」
これからオレは、どんどん奈織を幸せにしようと心に誓った♡
おしまい♡




