これは、きになる、はなし
「ちょっと食べすぎたなぁ…」
「ほんとにね…」
同期2人で会社の昼休みにちょっとランチ
いつもの定食屋に行ったら材料誤発注でカツ丼超大盛り(全ての具が1.5倍)とかあるもんだからね
「いつも行く店だから応援したくてね?」
「確かにあそこは家庭の味って感じで好き」
「それな?、まぁ家庭の味とか知らんけどw」
仕事に戻って終業まで過ごして家に帰る、家では何かゴロゴロしてまた会社へ向う
変哲のない日常をこなしつつ、安らぎの休日を過ごしている中でなにか面白い事が無いかとネットニュースを漁ると
丸鹿区 不審者情報
水通りにて通行人の顔にライトを当てる女性
「うわ、たまに行く場所だし…」
水通りは都内で有数の繁華街で街並みはアメ横と渋谷を混ぜた様な場所で、欲の街と呼ぶことも
水通りと空水通りの二本が通りそこにビルが立ち並びこの間を血管のように道が張り巡る
彼が足を運ぶのはこの水通りであり近場の繁華街であることもあり仕事で立ち寄る事も多い
「水通り…あそこだもんなそんな人も出るよな」
おとぎ話や歴史好きな父が語った言葉をふと思い出す
「水通りと空水通りの二本は元々大きな川だった、江戸時代を迎える頃に片方の川が突然枯れてしまった、云われはこうだ」
「一に、水枯れ、稲枯れ、人も枯れた」
「二に、草枯れ、木枯れ、子も枯れる」
「三に、人の縁有って策講じた」
「四に、策有って人戻り、子も増えた」
「五に、人増え、子増え、まだ水枯れる」
「実際には酷い干ばつで稲作出来ないから商売とか問屋をしたとか?、詳しくは知らん!」
知らないことすら自慢げに語る父の姿をよく覚えている
「あれ?、これって空水通りの事だよな?」
思わず声が漏れる
一瞬考えていると時間は日を跨ぐのに気付く
「寝るか…」




