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7.I'm home

私は昔からいわゆる鍵っ子でした。




ずっと

帰る家を探していました


大きなかばんを背負って

寄り道した先で夕飯の匂いをかいで

カラスが鳴くのを待ちました


首には鍵を

大切にぶらさげて


誰もいない家に

あたしは戻るのでした




ずっと

帰る家を探していました


夕焼けが綺麗だと少し嬉しくて

急ぎ足で朝来た道を戻り始める

玄関に着くまでは寂しくない


つま先立ちして

開けた冷蔵庫


あたしもレンジで

温めてもらえたらいいのに



寂しいというより

まるで居場所がないみたいで

膝を抱えて良い子で待っていた

笑った顔が見たくて

少しでも褒めてもらいたくて



ずっと

帰る家を探していました


「おかえり」と言ってほしくて

「ただいま」と言いたくて

今日も小さく呟いているのです


もうわかるよ

何が大切なのか


もうわかるよ

何を大切にするのか


もうわかるよ

少なくとも、今なら

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