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66.ポケットの中身

少しずつ忘れていく

声を顔を思い出を

忘れたくないと思っていた気持ちさえ

忘れてしまいそうになる日がくるなら

私の脳が壊れてしまえばいい

仕方ない、って誰か言ってよ



どんな声で好きって言ってたっけ

どんな顔して笑ってたっけ

どんな思い出を重ねてきたっけ



友達の恋を聴いていると

とても切なくなるときがある






「こんなに恋が辛いだなんて」

私はもうそんなことを思うような

年ではなくなってしまったよ



やらなければいけないことに追われて

振り返る時間さえなくなって

それでもあなたのことまだ覚えてる

時々、本当に時々、思い出してる



その回数は見事に一年ごとに減っていくけれど

それは良いことなのでしょうか

私はまだ恋すらできずに

というより

人に恋をするということがわからなくなってしまいました



あなたのせいではないよ

嘘、本当はあなたのせい

だけど私は

あなたのせいにはできずに

何でもない風に笑うしかない



今のこの気持ちを恋とか愛とか未練だと

友達はいうけれどね

そんなはずがないんだよね

幸せをぐちゃぐちゃに丸めて

しわくちゃなままポケットにいれているだけ

捨てるのをいつも忘れてるだけ

いらないのよ

本当はいらないものなのに

本当すっと忘れてる時だってあるんだよ



嘘だって思うなら

そう思っていればいい



私は今日も

丸まったままの

しわくちゃなものを

ポケットに入れている



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