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57.機械になりとて




眠りにつけない子供たち

孤独をいつから覚えたの

夜と親しくなったのは

きっと明日が怖くなったから



行き場のない感情ばかりが

溢れて仕方がないから

もういっそ

人間をやめてみようかと思って

管という管を繋いでみた



目に映る生き物の数だけ

耳に聞こえる声の数だけ

脳にデータを蓄積して

仕分けをしてフォルダ管理

上書き保存をしていくの





眠りにつけない大人たち

孤独に慣れたふりをして

夜にはみんな現実逃避

きっと今日を後悔しているから



あらゆるデータがあるんだから

わからないことなんてない

それなのに

人間の時と相も変わらず溢れてくる

この感情は消えてくれない



目に映る生き物の数だけ

耳に聞こえる声の数だけ

脳にデータは増えるのに

一つ分だけ余ったフォルダ

そこに入るのは誰?




心臓は機械的に動くよ

呼吸も機械的に続くよ

冷たくなった私の身体に

温もりがあるとするなら

それはあの時のあの人の、



あぁ


フォルダが今埋まった



目に映る生き物の数だけ

耳に聞こえる声の数だけ

脳にデータを蓄積して

仕分けをしてフォルダ管理

上書き保存をしていくの



目に映る生き物の数だけ

耳に聞こえる声の数だけ

脳にデータが増えたから

容量オーバー、壊れる手前

君のフォルダだけは


君のフォルダだけは保存したまま

私はまぶたを閉じる




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