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48.私にできること


身長155cmの私には

これくらいしかできないから




あなたがもし

暗闇の中で

一人さ迷うなら

どうか私も

そこに連れていって



前に進めと言われたって

前がどちらか

それが正しいのか

わからない時だってあるのにね


暗闇じゃ前も後ろも左も右も

わからないのにね


不安で仕方がないのに

背中ばかり押されて

高圧的な声ばかり聞こえてくる


目をとじるまでもなく

暗闇が迫ってくるのがわかる



「あぁ、どうしようもない」


そう絶望したなら


そこに

私を連れていって

あなたの手を握らせて

私の顔なんか

見えなくていいよ


ただただ

あなたに私の体温を伝えるから





あなたがもし

強がりと我慢で

笑っているなら

どうか私に

あなたを抱かせて





大丈夫と、もう何回繰り返したの


どれだけ人に

気を遣って

遠慮して

優しくしてきたの


あなたはそれを

優しさだと認めやしないけど

ただ

嫌われたくないだけだと

偽善だと

自分を蔑んだりするけど


私の目には

あなたは十分頑張っているように見えるよ


あなたが本当に

優しい人なのか

気配りができる人なのかは

わからないけれど



もう

十分頑張ってきたと思うんだよ



そんなことを言っても

あなたはどうせ

また認めてはくれないだろうから


私はあなたを抱きしめるね

ぎゅっと

あなたを否定するあなたの口から

言葉がでないくらい

ぎゅっと強く

私はあなたを抱きしめるね



その間

あなたはきっと動けないから

少しくらい休めるでしょう





私を突き放すのは

それからでも良いから





生きることは

とても優しくないし

残酷なことだって多い


絶望も裏切りも悲しみも

たくさんたくさんある



それでも生きてるのは



それ以上の何かがあるか

または

その何かを望んでいるから



今はそう思う




あなたがあなたを

傷つけるのなら

私があなたに

包帯を巻きに行くね


あなたがあなたを

否定するのなら

私があなたを

全力で肯定するね



それくらいしか

できないんだもの


ごめんね



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