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43.僕の彼女が小鳥になった
僕の彼女が小鳥になった
綺麗な羽根をばたつかせて
僕の肩にのっている
綺麗な声で鳴くんだろうな
ねぇ
君はなんで小鳥になったの
目覚めて横にいた君は
小さな小さな小鳥になったの
僕は君の頭をなでる
小さくなった君の頭は
相変わらず小さいな
言葉を失くした君に
僕の言葉は届くのかな
久しぶりに口にしてみる
「愛してる」
僕の彼女が小鳥になった
綺麗な羽根を持っているのに
だけど飛べないんだね
綺麗な声でさえずる君
ねぇ
君はなんで小鳥になったの
毎晩元の姿に戻ること
祈っているのは僕だけなの
僕は君に口づける
小さな嘴は少し冷たい
君は頭をかしげて鳴く
言葉を失くした君に
僕の愛は届くのかな
抱きしめることもできず
涙で羽根はぬれた
小鳥になっても
君は僕の後を追いかける
飛べない羽根をばたつかせて
小さな足で追いかける
ねぇ
どうして
君は小鳥になったんだい
瞳の中にうつる僕も
どうせなら
小鳥になれれば良かったのに
愛してるよ
愛してるよ
伝わるかい
朝目覚めて
僕は君の腕に抱きしめられていた
温かくて小さな掌に
僕は同じ掌を重ねた
僕の彼女がヒトになった