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27.宇宙人
宇宙人に会いました。とても怖かったです。足が震えて、だけど私がまだ人が好きだから逃げることができました。
寂しくて泣けるから
怖くて泣けるから
まだ大丈夫だって思えた
一人じゃないなって思えた
だけど
それもやっぱり苦しくて
よくわからなくて
つのった苛立ちは
傷ついた方が楽だよと教えてくれた
諦めようかと思ったけど
君のこと思い出して
だから
目の前の宇宙人から逃げ出せた
きっと
相手の目にも
私は地球外生命体に見えたんだろうけれど
優しさじゃない
温かさでもない
ただの押し付け
ただの押し売り
力まかせにとんでもないものを
渡されるところだった
まだ
足が震えることを知った
そして
人間が嫌いだと思った
こんなにも
愛しいと想える人間だって
私にはいるのに
神様は優しくない、ちっとも
生きにくい、とても