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11.たった一人

たった一人を幸せにしたい。だけれどたった一人を幸せにするのはこんなにも難しくて。分かち合えたらいいのに、と何度も思う。




あなたは強いね、と

言われた日があった


そんなことはないですよ、と

笑って見せた


あの人は

あたしが泣き虫だということを知らない



あなたは優しいね、と

言われた日があった


そんなことはないですよ、と

笑って見せた


あの人は

あたしが何人傷つけてきたのかを知らない



あなたはわがままだね、と

言われた日があった


そうですね、と

謝った


あの人は

あたしが我慢してきたあれこれを知らない



あなたはひどい人だね、と

言われた日があった


そうですね、と

謝った


あの人は

自分の傷つけた人たちを忘れている




人間のことなんて

解りそうで解らない


解りあえなかった時の

悲しさや寂しさは


傷つけられた

あるいは

孤独すぎる夜の

何倍ものダメージだから


諦めそうになるけれど



たった一人に

解ってもらいたくて

たった一人を

解りたくて


あたしたちは

今日ももがく



たった一人が寂しくないように

たった一人が笑えるように


たった一人の人生が

少しでも幸せであるように




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