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またいじゅなんきょく  作者: ぴかんだー
5/6

いばらの冠と、歩くいえすの背中がまぶしすぎた

いえすは、兵士たちに囲まれて、

頭にトゲトゲの冠をかぶせられてた。


乾いた枝でできたそれは、ただの飾りじゃなくて、

皮膚を突き刺して、血がにじんでた。


それでも、いえすは黙ってた。


痛みをこらえてるっていうより、

痛みすら、受け入れてるような顔だった。


そして、でっかい木の十字架を背負わされた。


見てるだけで重そうだった。

肩に食い込んで、足元はふらついてた。


でも、背筋はまっすぐだった。


誰かに支えられてるわけでもないのに、

まるで、何かを守るように、何かを背負うように、

一歩一歩、前に進んでた。


道の両側には、たくさんの人がいた。


誰も助けなかった。

誰も声をかけなかった。


おれも、できなかった。


ただ、見てることしかできなかった。

声を出すことも、手を伸ばすこともできなかった。


その背中が、遠ざかっていくたびに、

胸の奥が、ぎゅっと締めつけられるようだった。

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