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またいじゅなんきょく  作者: ぴかんだー
3/6

キスでうらぎるとか、少女まんがかよ

で、来たんだよ。

ゆだが。


兵士を何人も引き連れて、

たいまつの光がゆらゆら揺れて、

夜の静けさを、ざくざくと踏み荒らす足音が近づいてきた。


おれたちは一瞬、何が起きてるのか分からなかった。

でも、いえすは立ち上がって、

まるでそれを待っていたかのように、静かにその場に立ってた。


そして、ゆだが近づいてきた。

顔は笑ってるのに、目が笑ってなかった。


「せんせい……」って、

あいつ、いつもみたいな声で言って、

そのまま、いえすの頬にキスしたんだ。


……いやいやいや。

うらぎりの合図がキスって、どこの少女まんがだよ。

って、思ったよ。正直。


でも、いえすは怒らなかった。

剣を抜くことも、声を荒げることもなかった。


ただ、ほんの少しだけ、

ほんの一瞬だけ、

さみしそうに、笑ったんだ。


その笑顔が、逆に刺さった。

ああ、全部わかってたんだなって。


ゆだのことも、これから起きることも、

全部、受け入れてたんだなって。


そのとき、おれ、何もできなかった。

ただ、見てることしかできなかったんだ。

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