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またいじゅなんきょく  作者: ぴかんだー
2/6

深夜に祈るいえすが尊すぎた

そのあと、いえすはひとりで外に出てった。

たぶん、祈りに行ったんだと思う。


おれたちは……まあ、寝てた。ごめん。

でも、目が覚めたら、いえすがまだ祈っててさ。


月明かりの下で、白い服がふわって揺れてて、

なんかもう、神々しいっていうか、尊いっていうか、

近づいちゃいけないような、でも目を逸らせないような、そんな感じだった。


いえすは、地面にひざをついて、

両手を組んで、空を見上げて、

何かを、誰かに、必死に語りかけてた。


「……できれば、こんなこと起きなきゃいいのに。でも、やるしかないんだよね」


って、ぽつりとつぶやいたその声が、

風に乗って、葉のざわめきにまぎれて、

夜の闇に、静かに溶けていった。


その背中が、あまりにも小さくて、

でも、あまりにも強くて――


おれ、何も言えなかった。

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