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始まりの日•••フラワーナイト・リリィ誕生の日④

――――――――ピーンポーン――――――――


 玄関のチャイムの音で俺は目を覚ます。時刻を見るともう夕方だ。と言う事はほぼ丸一日寝ていた事になる。

 母ちゃんは居ないのか?俺は身体を起こそうとする。


「うう…………身体痛てぇ…………」


 一日中寝ていたせいか身体のあちこちが軋む。すると部屋の前に誰かが立つ気配を感じる。


 ――――――コンコン――――――


「千晶。起きてる?」


 声の主は優里香だった。俺が起きてると伝えると、部屋のドアが空き優里香が顔を覗かせる。


「大丈夫?熱出したって聞いたけど?」


 優里香は心配の声をあげながら部屋に入ってくる。


「大丈夫。寝ていたらだいぶ楽になったし、明日は普通に学校に行けると思う」


「良かった。あっこれ!今日の授業をまとめた物」 


 俺の言葉に優里香は笑顔を浮かべ、鞄から一冊のノートを俺に差し出す。


「サンキュ!」


 俺は優里香からノートを受け取る。こう見えて優里香はクラスでの成績は良い。実際前に宿題を忘れた優里香にノートを貸した事がありその時にチラッと内容を見たが綺麗にまとまっていた。そのノートを見せて貰えるのはとても助かる。そんな事を考えていると、優里香は真剣な顔で俺を見つめる。


「…………ねえ千晶。昨日何があったの?叔母様から軽く話は聞いたんだけど…………」


 おそらく、俺の嘘を母ちゃんから聞いたのだろう。ただし優里香は俺の正体を知っているから何かあったのだろうと思っているのだろう。


「ああ……実は」


 俺は優里香に昨日あった事を話す。優里香はフラワーナイト・リリィの正体が俺である事を知っているので昨日会ったカラスや、ブラックリリィと名乗る敵について説明する。


「ブラックリリィ……それが敵の名前」


 優里香は神妙な顔で呟く。


「ああ、そいつは自分が魔物を生み出しているって言っていた。そして次は自分が相手になるって…………」


 ブラックリリィを倒せれば、何故魔物を生み出して人々を襲っているのかが分かるかもしれない。俺は決意を固める。


「…………ふふっ」


 俺が一人考えていると優里香が一人微笑んでいた。


「…………何が可笑しいんだ白石?」


「…………ううん。千晶が誰か為に戦おうとしてるのが嬉しくて。初めてリリィに変身した頃は、そんなふうには見えなかったから」


「そんな事」


「あるよ。今の千晶の顔………なんか昔見てたアニメのヒーローみたいだったよ」


 そうなのか?自分ではよく分からない。あの時は必死だったし今でも無我夢中だ。

 …………俺は優里香の言葉で、初めてフラワーナイト・リリィに変身した時の事を思い出していた。


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