始まりの日•••フラワーナイト・リリィ誕生の日①
久しぶりの投稿です。
一応自分の作品は過去編は一人称。
現在は三人称で書く予定です。
「三十八度五分…………完璧に風邪ね」
そう言って、母ちゃんは俺の身体から体温計を抜き取る。
俺は布団に寝転がったまま頷く。
昨日の夜隣街の公園で戦っていた俺は帰ろうとした際にリリィの変身が解け、そのまま徒歩で自宅まで帰宅した。
まぁ、あの寒さの中で電車やバスも無かった為、徒歩で一時間以上歩いたのだから当然の結果である。
「全く…………まあ高校生だから夜遊びしても特に文句は言わないけど、自分の体調ぐらいしっかり管理してほしわね」
そう言って母ちゃんは体温計を持って部屋から出て行こうとする。
流石に俺が正義のヒロインになって化け物と戦っているなんて言える訳がないので母ちゃんには夜遊びして遅くなったと言い訳した。
「…………ごめん。母ちゃん」
俺は部屋を出て行こうとする母ちゃんの背中に声をかける。
それは迷惑かけた事と、嘘をついた事の二つの意味で、である。
「別に良いわよ。親なんだから迷惑かけたって。それに…………」
そう言って母ちゃんは部屋のドアに手をかけながら呟く。
「詩織の事もあるし………あんたが無事ならそれで良いわよ」
そう言って部屋から出て行った。
「ハァ…………ハァ………ふぅ」
やべ…………本格的に熱が出てきた。気がつくと俺は熱と薬のせいか、意識を失っていた。