プロローグ
ーー今は昔、この世では、小さな国同士で争い合い、戦争が絶えなかったーー
その絶えぬ戦争を終わらせるべく立ち上がったのはシュリド・ゴーゲンという王と8人の戦士であった。
これから始まるのはそんな争いまみれの異世界とはまるで関係ない現代の話…
俺の名前は伏見 至。至って平凡な高校生である。現在俺はいわゆるいじめというものを受けている。
始まりはクラスでも静かでおとなしい男子がギャルに金を要求されているのを助けたことからだ。
今にも泣きそうなその子の表情を見てると見なかったフリはできなかった。
「やめろよ」
そんな言葉がいつのまにか自分の口から出ていた。
どこかの漫画でヒーローは考える前に体が動いたというようなことを書いてあったがまあまさにそんな感じだ。
そして現在、例のギャルがどんな噂を広めたのかは知る由もないが、学年の女子全てに避けられている。
もともと人と関わるのが得意だったわけでもなく、助けようとしてくれる人はいなかった。
まあ喋る必要もないしいいだろうと割り切っていたある日、例のギャルが取り巻きを連れ、俺を囲んだ。
「どの女子にも喋ってもらえなくって寂しいっしょww」
ギャル語すぎて俺には理解できなかったが要約するとこういうことを言っていたと思う。
「別に喋る必要もねえし」
この言葉がギャル達の怒りに火をつけた。
翌日、そのギャル達の彼氏(?)と思われる集団に校舎裏に連れ込まれ、殴る蹴るなどの暴行を受けた。
しかし俺は小学校の頃、担任の先生に
「やられてもやり返したら同じ罪だよ」
と言われ、今もなおその言葉を覚えている。
今は絶対に絶えて教師と親に報告してやる…
そう決意したとき、俺に暴行を加えていた一人の男子生徒が言った。
「こいつ生意気な目してんな」
自分の思いは目力になって出てしまっていたようだ。
そう思った瞬間俺の眼の前にはコンクリートがあった。かかと落としを食らったようだ。
しかし様子がおかしい。そのコンクリートには赤い液体が垂れており、額に尋常ではない痛みを感じる。
体が動かない。
視界が暗くなっていく。
最後に聞こえたのは
「やべぇ、死んだんじゃねえか?」
「さすがに気絶しただけだろw」
「まずい逃げろ!先生が来た!」
そんな言葉だった。
意識がなくなってきた。
俺は死ぬのだろうか。
…………
あいつらはいじめの延長で人を殺すのか
そう思うと今まで同じフロアにいたことに吐き気をもよおしてきた。
ーーそして彼は人に対して強い恐怖を持ったーー
連載初めてみました。ふつつか者ですが精一杯面白い作品を書かせていただきます。