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片手を握って、腕枕で夜を過ごす
「ゆめ、そろそろ寝ようか」
「うん」
今日はもう寝る時間。夏希と二人で私の部屋に行く。
「ああ、このベッドの感じ落ち着くー」
「そっか。電気は消さないでおく?」
「いや…んー、豆電球がいい」
「わかったよ」
豆電球だけつけてもらって、ベッドに潜る。
「ほら、腕枕してあげる」
「うん」
夏希の腕枕で、安心感に包まれる。
「ゆめ、手を繋ごうか」
「うん」
腕枕してない方の手で、私の手を握ってくれる。
「ゆめ、子守唄も歌おうか?」
「それはいらないよ…ふふ」
「あはは」
冗談を言う夏希に笑う。やっぱり暗いのはまだ怖いんだけど、夏希のおかげで安心感を感じて中和される。
「ゆめをこうして抱きしめて寝られるの、安心する」
「私も安心する」
「ずっとこうしていたいな」
「うん…私も」
いっそこのまま、時間が止まればいいとすら思う。
「夏希」
「なに?」
「大好きだよ」
「僕もだよ」
夏希の温かさで、自然と眠気が来てぐっすりと眠れた。




