気持ちのいい朝
「んん…」
目が覚めると、小鳥のさえずりが聞こえる気持ちのいい朝。
「おはよう、ゆめ」
「夏希おはよー」
横に目をやれば優しい恋人。うん、幸せ。
「お風呂入っておいで。僕は朝ごはんの支度をしておくから」
「うん」
「でもその前に」
夏希が私を抱きしめる。
「え、夏希?」
「ぎゅってさせて」
「もうしてるじゃん!」
今日の夏希は甘えん坊さんだなぁ、もう!
「はい、ぎゅー」
「ぎゅーっ」
そして身体を離す。
「じゃあ、ゆめ。お風呂はもう沸かしてあるから。入浴剤も入れていいからね」
「うん、ありがとう!入ってきます」
お着替えを適当に選んで、タオルを持って浴室に向かう。
「…ゆめ」
「うん?」
「好きだよ」
甘い顔でそんなことを言われて固まる。
え、なに?リップサービス!?幼馴染としてってこと!?それとも本当に!?
「あ、え、えっと」
「じゃあ、僕も朝ごはんの支度があるから行こうかな」
さらっと言ってさらっと流されたー!
「むむむ」
さすがモテるだけある。翻弄されてしまった。
「ふあー、良いお湯ー」
入浴剤も入れたお風呂は超快適!シャワーを浴びた後お湯に浸かっているのだけど、温まるし最高に気持ちいい。
「さて、今日までおやすみだけど今日は夏希と何して過ごそう」
ゲームして一日中ダラダラするのもいいなぁ。お買い物に行く…のは、夏希に全部奢られる気がするから自重しよう。でも外に食べに行くくらいならいいかも。
「…それか、デートでもする?」
カラオケとか?映画とか?ちょっと遠出して水族館?
「…うーん、でも明日から仕事だからなぁ」
デートするにしても、普通にちょっとお出かけくらいかな。
「んん…それにしても、さっきの好きってなんだったんだろ」
やっぱり幼馴染としての好き?からかわれただけ?
「夏希のバカ…」
意識しちゃうじゃんか。
「…のぼせそうだし出よう」
お風呂を上がって、身体を拭いて髪を乾かして着替えた。洗濯機を回しておいて、夏希の待つリビングへ行く。
「あ、ちょうどいいところに。ご飯出来たよ。食べよう」
「う、うん」
夏希の顔を見ると、さっきの好きのせいでちょっとドキドキしてしまう。
「いただきます」
「いただきます」
もぐもぐ食べる。すごく美味しいけど、それ以上にドキドキし過ぎて何も言えない。
「…ゆめ?どうしたの、美味しくない?」
いつも夏希の料理を褒めちぎる私が静かだから、夏希が不安そう。
「そ、そうじゃなくて、その」
「うん」
「な、夏希が…好きとか言うから、意識しちゃって…」
私がそう言えば、夏希はきょとんとした後満面の笑みを浮かべた。
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