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大神官の策謀

わたしは大聖堂で報告を聞いていた。


「失敗しただと!?」


グリーンに魔法をかけたのは一流の魔導士で、魅了魔法チャームにかけては実力のある者だった。捕まってしまったようだったが、裏から手をまわし何とか連れ戻すことが出来た。


「アリスを手に入れるために邪魔だと思っていたが・・クソッどんだけ能力高いんだよ・・」


ああ、しまった。素が出てしまっていた。逆に囲い込む方が良さそうに思えてきた。


「欲しい・・欲しいな。何か他のアプローチはないものだろうか」


出来れば、アリスとグリーンを一緒に手に入れる方法は・・・。



*****



「はああああっ」


リビングで、ぼくは深いため息をついていた。もう襲われれる事は無いと思っていたのに。


「グリーン?大丈夫??」


アリスも厄介な人に好かれたものだな。


「う、うん」


アリスに言っておいた方が良いのだろうか?話したら不安にさせそうだもんな。アリスなら、「文句を言ってくる」なんて言い出しかねない。でも先ほどの魔法使いが居ながら、アリスには魔法をかけないのが疑問だった。魔法なら言いなりになってしまうから、嫌だったりするのだろうか。


アリスには一応、話しておいた方がいいかもしれない。


「実は・・・」


ぼくは先ほど魔法で、魔導士に襲われた事を話した。


「うわぁ・・信じられない・・どこまで卑劣なのあの人は・・」


「ぼくだったから良かったけど、流石に困っちゃうよね」


「グリーンてさ、お人よしだよね。まあ、そこも良いところなんだけど」


「え?そうかな?」


「そうだよ~。普通なら怒って怒鳴り込むと思うよ?」


幸い今回は実害があったわけじゃないし、腹は立っていない。ただ、また同じことがあったら嫌な気分になりそうで憂鬱だ。




カラン、カラン・・


店のドアが開いた。考えながら帰ってきたので、ドアを閉めるのを忘れていたようだった。


「何やら辛気臭いですわね~。どうしたのかしら?」


「あれ?今日は閉店してるのですが・・って」


ぼくとアリスはドアに立っている人物を見て固まった。この町にいるはずが無い人が立っていたからだ。


「王女様?どうしてここに?」


「どうしてって、気になったから来てみたのですわ。お久しぶりですわね」


お城で見た時よりも若干地味なドレスを着て、王女が立っていた。銀髪は相変わらず縦ロールなのだけど。バタバタ・・外から慌てて走ってくる足音が聞こえてきた。

ロイドだった。


「明日にしてくださいって言ったじゃないですか。もう夜も遅い事ですし。迷惑になりますよ」


「もう来ちゃいましたわ。それに何かありそうですし・・・」


パトリシアはぼくとアリスを見て微笑んでいた。


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