アリスの覚悟
「私も覚悟を決めないといけないわ!」
アリスは教会の中で決意をしていた。このままではグリーンがシルビアっていう女に取られてしまうかもしれない。グリーンは優しいから、突き放すことは出来ないだろう。一日中シルビアはグリーンと二人きりなのだ。しかも肝心のグリーンはシルビアの気持ちに全く気が付いていない。
「優しすぎるのも問題なのよね~そこが良いところなのだけど」
教会は珍しく信者さんがお祈りに来ていて、ファンティ様の像の前で跪いていた。
「シスターどうかしましたか?」
思わず私が呟いてしまった言葉に反応し、女性の信者さんに心配をされた。今は教会の事に集中しないと。ああ、でも気になる!どうしたらいいのだろう。
「ファンティ様私は、どうしたらいいのでしょうか・・」
私も女神さまに祈りを捧げていた。
**
「そんなに心配なら、辞めちゃえば?」
結局私はマリリアに相談したのだが、身もふたもない事をマリリアに言われた。仕事帰り、近くのカフェでカウンター席に座って私は果実水を飲んでいる。隣のマリリアはお酒みたいだけど。
「別に、他の人が教会の事をすれば良いわけで、アリスは辞めても良いと思うよ?・・それともどうしても辞めたくない理由があったりする?」
「・・そうよね。私が辞めても他の人がやればいいのよね!ありがとマリリア、迷いが吹っ切れたわ」
私は早速、教会の本部に手紙を書くことにした。
*****
数日後――。
「教会、辞めてきた」
「はい?」
診察中、アリスが診療所に来た。修道服ではない普段着だ。昼間なのでまだ教会でお仕事をしているはずなんだけど。
「教会辞めてきた。私も雇ってもらえない?」
アリスはニコニコしているが笑顔が怖い。シルビアさんと睨みあっている。火花が散っている気がするが・・気のせいと思いたい。
「えええ~~折角二人きりになれたのに・・あたしにも、少しくらい分けてもらっても良いじゃないですか」
「シルビアさん、そちらの方の治療お願いします」
「はーい」
ぼくは、とにかく目の前の怪我人を治療することに専念することにした。
**
「アリス、どういう事かな?説明してもらえると助かるんだけど」
治療所の奥の休憩室。お昼休憩の時間。シルビアさんには席を外してもらっていた。ぼくとアリスは長椅子で合い向かいに座っている。
「私、グリーンの事好きなの。そしたら、いてもたってもいられなくなっちゃって・・変だよね。教会も辞めてきちゃうなんて」
「そ、そうだったんだ・・・来るなら、前もって言っておいてもらった方が良かったかもね」
急に言われて驚いた。アリスってぼくの事好きだったんだ。嫌われているとは思っていなかったけど。
「あれ?でもアリス、君って住み込みじゃなかったっけ?泊まるところどうするの?」
「あ~うん。何とかなるかなって、取り合えず宿屋に泊まろうかな・・」
「よかったらここ泊まれば?部屋空いてるし。二階が居住スペースなんだ」
「え?いいの?」
今日からアリスがぼくの家に住むことになった。今までずっとぼくは教会に住まわせてもらっていたから、本当に軽い気持ちで提案したのだけど。
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