第三王子殿下から改めてのプロポーズ
「アンナ、今ちょっといいかな」
「はい、サミュエル様」
サミュエル様との婚約が成立して、私はお世話係を解任された。けれど、どっちにしろ結婚までの準備があるのでそのまま本宮に留まっている。
今日も王妃殿下とデザイナーさんに頼って、結婚式の衣装はどうするかの相談をした。
その後一息ついたところにサミュエル様がいらっしゃった。
「どうしました?サミュエル様」
何かを後ろに隠し持っている様子のサミュエル様。何かあったのかと心配したが、それはすごく嬉しいお話だった。
「…アンナ」
「は、はい」
「僕と末永く一緒にいてください」
そう言ってサミュエル様は私に、赤いバラの花束をくれた。
「サミュエル様…!嬉しいです、ありがとうございます!」
「ちなみに本数は九十九本」
九十九本のバラの意味は、永遠の愛。そして、ずっと好きでした。
「嬉しいっ…本当に嬉しいですっ!」
「よかった。僕も喜んでもらえて嬉しい」
そしてサミュエル様は薔薇の花束を受け取った私に、もう一つプレゼントをくれる。
「…これ、婚約指輪なんだけど受け取ってくれる?」
「は、はい!」
そして、婚約指輪を恭しく私の左手の薬指にはめるサミュエル様。
「ふふ、結婚式が待ち遠しいね」
「はい!はやくサミュエル様のお妃様になりたいですっ!」
「…可愛すぎる」
そう言って私を抱きしめるサミュエル様。幸せいっぱいで、心が満たされた。




