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【長編版】病弱で幼い第三王子殿下のお世話係になったら、毎日がすごく楽しくなったお話  作者: 下菊みこと


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サミュエル様への恋心

婚約してから、サミュエル様は私にすごく愛情表現をしてくれるようになった。


「アンナ、愛してるよ」


「あ、ありがとうございます」


そして、真っ赤になった私を見て満足そうに笑う。


「アンナは本当に可愛いね」


「さ、サミュエル様…からかわないでください…」


「からかってなんてないよ。可愛い」


「うう…」


サミュエル様の好き好き攻撃は、すごく嬉しいのだけれど照れるしとてもドキドキする。


「ふふ。もう何年もずっと好きだったのに、日に日に想いが強くなる」


「うう…」


「ねえ、アンナも僕を好きになってくれた?」


「ええっと…」


サミュエル様に好きって言われるとドキドキするし、愛してるって言われるとドキドキプラス幸せになる。


頬にキスをされるとときめくし、可愛いって言われると嬉しい。


でも、今まで恋をした経験なんて一回しかない。


この幸せな感情が、恋なのかどうなのかわからない。


「…ということで、好きになってるかわかりません」


「へえ、そんな風に思ってくれるんだ?」


わからないから、正直に想いを伝えたらサミュエル様は何故か嬉しそう。


「…ねえアンナ、僕が聞く限りアンナは僕を好きになってくれてると思うんだけど」


「そうでしょうか…」


「うん、だって」


サミュエル様が私の頬にキスをする。


「これでときめいてくれるんでしょ?」


「…〜っ!」


うん。認めよう。


私はいつのまにか、サミュエル様を好きになっていた。


「…さ、サミュエル様」


「うん?」


「…好き、です」


私がそう言えば、サミュエル様はぱっと笑顔になる。


「ありがとう、アンナ!嬉しい!」


サミュエル様は、逞しくなったその腕で私を軽々と抱えてクルクルと回る。


「さ、サミュエル様っ!」


「ふふ、アンナ。僕、今ものすごく幸せっ!!!」


「サミュエル様…」


胸が温かくなる。私も、すごく嬉しい。


サミュエル様はくるくる回るのをやめて私を降ろす。それを見計らって私も伝えることにした。


「私も…」


「うん?」


「私も、今ものすごく幸せですっ!!!」


そう言って、サミュエル様に思い切り抱きつく。私からのハグは、想いが通じてからは初めてだ。


「アンナっ…」


サミュエル様は私を抱きしめ返して、ぎゅっとしてくれる。その逞しい腕に、安心感を覚えた。

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