表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/95

第三王子殿下をお姫様抱っこして少しお散歩

「ところで第三王子殿下」


「なあに?」


「今日はまだお外に出ていませんよね?」


「…?お外?」


きょとんとする第三王子殿下に血の気が引く。え、まさか。


「あまり、お外には出ませんか?」


「病弱だから、出ちゃダメだって」


なんということか!せっかくあんな広くて綺麗なお庭があるのに!


本宮の方には近寄らないとして、離宮の周りくらいは見せて差し上げたい!


…というか、そもそも陽の光あんまり浴びてないのか!少しずつでも慣らさないと!!!


「じゃあ、今日からアンナのお散歩に少し付き合ってくださいませんか?」


「え、いいの?」


「ええ、あまり長い時間は無理ですが」


私の腕力的に。


「では、行きましょう」


「う、うん」


私は第三王子殿下をお姫様抱っこする。軽い。軽すぎる。とはいえ、私も力持ちではないのでちょうどいいくらいなのだが。


お庭に出て、第三王子殿下に花を見せる。


「ほら、第三王子殿下。ここがお庭ですよ。これがお花です」


「わあ…!すごい!」


第三王子殿下は目を輝かせる。今日はちょうど、暑くも寒くもなく柔らかな日差しが降り注ぐ良い日だったので第三王子殿下には庭を堪能してもらう。


「ねえ、アンナ。アンナはどれが好き?」


「そうですね…この白い薔薇ですね」


「ふふ、綺麗だもんね!匂いもいいなぁ」


「それもありますが…」


第三王子殿下がこちらを見る。


「?」


「…なんとなく、第三王子殿下のイメージにぴったりな気がして」


自分で言って照れてしまう。そんな私を見て、第三王子殿下は笑顔になる。


「そうかなぁ…ふふ、アンナにそう言われると嬉しいなぁ」


「て、照れますね」


「じゃあ僕はあっちのチョコレート色の薔薇が好き!アンナみたいだもん!」


んんんんんんん!!!私の主人は世界で一番可愛い!!!


「あ、ありがとうございます。第三王子殿下」


「ふふ、うん」


こんなに可愛い人は世界を探しても他にいないだろう。なんて愛おしいのか。


「あ、そろそろお部屋に戻りましょうか」


「え、もう?」


「はい。明日はもう少し長めにして、ゆっくりと身体を慣らして行きましょう」


「はぁい…」


聞き分けの良い第三王子殿下に少し胸が痛くなる。良い子すぎる。このくらいの年齢ならわがまま放題なものだろうに。


「時間も時間ですし、戻ったらお食事にしましょうね」


「お食事かぁ…」


第三王子殿下を連れて、お部屋に戻る。第三王子殿下がベッドの上で少し休んだあと、食事が運ばれてきた。


第三王子殿下は食事を見て、しょんぼりとした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 10歳くらい離れてるのかな?もうこれはかわいいの祭りですね!! たまらん!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ