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【長編版】病弱で幼い第三王子殿下のお世話係になったら、毎日がすごく楽しくなったお話  作者: 下菊みこと


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嫉妬って怖い

「…もう、やんなっちゃう!!!」


ベッドの上で枕を何度も叩きつける。ムカつく!


友達に、公爵家の素敵な方と婚約したと自慢する手紙を送った。なのにあの子たちは、アンナ様に今からでも謝罪の手紙を送った方がいいと嫉妬丸出しの手紙を送りつけてきた!友達だと思っていたのに!


病弱であまり世間を知らなかったんだから仕方がない、アンナ様は慈悲深い方だから反省すればまだほんの少しだけ許していただける可能性も残っている。そんな煽りが書いてあった。それで私を貶めているつもり?私はあんな女より魅力的なんだから!


大体あの女が慈悲深い?単にバカなだけじゃない、あんな女が評価されるなんて頭おかしい!反省ってなにをよ!あんな地味女からクレマン様を守ったんだから褒めてよ!私があの地味女を高みから許してやるならともかく、私がアレに許されるようなことは何もないわよ!


「みんなきっと、私の愛らしさに嫉妬して頭がおかしくなったのね」


はぁ…私って罪な女。クレマン様からはこんなにも愛されているし。思い上がった地味女はこの美しさだけで身の程を教えてやったし。


「…友達だと思っていたのにな」


みんながあんな女だっただなんて、ちょっと悲しい。


病弱で外に出られなかった頃の私にも優しくしてくれた、本当のお友達だったはずなのに。


やっぱり、美しすぎる見た目は人を狂わせるんだ。


「あの子達も…酷かったな…」


知り合いにも祝福して欲しくて、会った時に話しかけたらゴミを見る目を向けられた。


最低、と吐き捨てられた。


話しかけないで、と見捨てられた。


「友達ではなかったけど、あんなに仲良くお話したのに…」


なんでこんなに美しい私にそんな目を向けたんだろう。


なにが最低なんだろう。


なんで公爵家の夫人になる勝ち組の私に話しかけないで、なんて言ったんだろう。


「…どうして?」


美しさに嫉妬したの?


もしかしてあの地味女になにか吹き込まれたの?


公爵家の夫人になる勝ち組の私に、どうしても引け目を感じて自ら身を引いたとか?


「みんなの考えが、よくわからないよ」


こんなに可愛い私。こんなに美しい私。いつもみんな、にこにこ笑って守ってくれていた。この見た目だけで私はみんなに好かれていたのに。


「どうして…」


お父様もお母様も、最初は褒めてくれた。公爵家の姫君よりも愛されるなんてすごいって。クレマン様の愛人になれるって。


でも、クレマン様があの地味女を捨てて私を選んでくれたらなんてことをしたんだと私を叱った。


愛人に収まるくらいが一番幸せになれただろうにと泣いた。


「どうして…」


幸せの絶頂にいたはずなのに。なにかが狂った気がするのはどうしてなんだろう。

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