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第三王子殿下が…可愛すぎる!

今から早速お仕事開始だ。私は今日からこの離宮で住み込みで働く。家族にはしばらく会えなくなるが、きちんと挨拶をして出てきた。お父様とお母様は抱きしめてくれた。お兄様はいきなりのことに驚いていて、少し寂しそうだったが優しく送り出してくれた。案内された離宮は、それは本宮と比べると粗末だが普通に十分過ぎるほど豪華だ。


つまりは、迷子にならないように気をつけないといけない。


そして、離宮で共に働くことになるメイドたちは何故か私を遠巻きに見てくる。


そんな顔しなくても…!とは思うが何か誤解でもされているのだろう、仕方がない。


ともかく、荷物の荷ほどきなど色々な準備も済ませたので第三王子殿下のところへ突撃だ!


「失礼致します」


部屋のドアをノックして、許可を得て入室する。


この方が、これから私の主人となるお方…サミュエル・リュカ・アルテュール第三王子殿下。


金髪のおかっぱに青い瞳で大変可愛らしい。まだ六歳でこの完成度…将来は絶対にイケメンだ!


「お初にお目にかかります、第三王子殿下。これから私…アンナ・ミラ・ディオールが専属のお世話係となります。よろしくお願いします」


「『専属の』お世話係…?」


「はい。第三王子殿下だけのお世話係ですよ」


「本当?ずっと一緒にいてくれるの?」


「はい」


幼く見るからに病弱な第三王子殿下をみて、悟った。ああ、これは婚約者が幼馴染にハマるのも仕方がないと。


第三王子殿下が…可愛すぎる…!


「じゃあ、じゃあ甘えていい?」


「もちろんです。ハグしますか?」


「する!」


諸事情で甘えられる相手が今までいなかった第三王子殿下。彼はベッドの上で私からのハグを待ち、手を伸ばしてくる。あああああ!可愛すぎる!可愛い!可愛い!


「第三王子殿下。今までよく頑張ってきましたね。偉い偉い」


「えへへ…」


ハグついでに頭を撫でれば、第三王子殿下は嬉しそうに笑う。


実際本当の年齢も幼いが、病弱なせいでさらに子供っぽい見た目から成長していない第三王子殿下。


ずっとベッドから出られない生活のため、勉強も出来ず教養もあまり身に付いていないと思われる。


「第三王子殿下、もしよかったら一緒に絵本でも読みましょうか」


「うん!」


私は専属のお世話係なので、ずっと付きっ切りで第三王子殿下のそばにいられる。なので、せっかくなら少しずつでも勉強も無理のないペースで教えて差し上げたい。まずは読み書きからということで、絵本の読み聞かせから始めようと思う。


え、お世話係の仕事の範囲を逸脱してる?だってこんなに可愛い子を放っておけるわけないじゃないですか!!!

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