表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【長編版】病弱で幼い第三王子殿下のお世話係になったら、毎日がすごく楽しくなったお話  作者: 下菊みこと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

49/95

褒美

「え、私に褒美ですか?」


「うん。父上が、サミュエルに仕え尽くした褒美を与えるとのことだよ」


ある日いつも通り第三王子殿下と過ごしていると、これまたいつも通り第一王子殿下が会いにいらしたのですが…なんだかすごいことになりました。


「でも、私はあくまでもお世話係として当然のことをしたまでで…」


「それが有り難いと思ったから、父上は褒美を与えると言い出したんだと思うよ」


それはとてもとても光栄だけれど、いいんだろうか?


「アンナ、ご褒美を貰えるの?よかったね」


「は、はい!」


「サミュエルにも良いお話があるよ」


第一王子殿下は、第三王子殿下と目線を合わせて言った。


「これから、サミュエルは本宮で暮らすんだ」


「え?」


「兄弟みんなで、一緒に暮らせるよ」


「…っ!」


ぱあっと明るく笑う第三王子殿下。私もとても嬉しくなる。


「もちろんアンナも一緒だよね!?」


「うん、当たり前だろう?」


「わーい!」


ぴょんぴょん飛び跳ねる第三王子殿下。本当に元気になってくれて、私はとても嬉しい。


「ということで、褒美はなにがいい?」


「え?」


「父上が、聞いてきてほしいって」


褒美、と言われても。実家の方は上手くいっているらしいから手助け無用だし、婚約破棄を国王陛下に願うのも何か違うし。というか実家に迷惑がかかる。となると願うのは。


「じゃあ、第三王子殿下とのツーショットの絵を描いて欲しいです!」


「え、それだけ?」


「はい!」


私がそう言えば、第一王子殿下は困った顔。


「他に欲しいものは?」


「特にはありません!」


ドレスや宝石はお仕事で得た貯金を使えばいつでも買えるし、趣味といえば第三王子殿下のお世話なので欲しいものなど他にない。


「んー…わかったよ。じゃあ、そう伝えておくよ」


「ありがとうございます!」


「大きめのサイズをいくつか?それとも普通サイズのをたくさん?」


「普通サイズのをたくさんで!」


使用人の部屋も広いから、置き場所には困らないだろう。


私は第三王子殿下とのツーショットにご機嫌で、後のことを考えていなかった。












「え、こ、こんなドレスを着ていいんですか?」


腐っても私は公爵家の娘。だからわかる。このドレスは公爵家でもなかなか手が出せない高級品だ。


「はい、これを着て第三王子殿下とのツーショットを描きましょう。このドレスも褒美として受け取ってください」


「わ、わー、ありがとうございます…」


国王陛下が寄越した侍従にそんなことを言われて、やってしまったと後悔。


こんなおおごとになるとは思わなかった…。


「では、お二人ともこちらへ」


「はーい!」


「はい」


そして長い時間をかけてツーショットの絵をたくさん描いてもらう。画家も一人ではなく何人も集められているが、いずれも凄腕のアーティストばかりらしい。


ただ、第三王子殿下ももちろんめちゃくちゃおめかししててとても可愛らしいので眼福ではある。


そして出来上がった絵を全部もらって、私は結局ご満悦です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ