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【長編版】病弱で幼い第三王子殿下のお世話係になったら、毎日がすごく楽しくなったお話  作者: 下菊みこと


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とある少年の愛を伝える頑張り物語

僕は愛と感謝をこれでもかと伝えるため、言葉だけではなく紙にも気持ちをしたためることにした。


早起きして、紙とペンをまだ重い身体をなんとか動かして取り出して、ベッドの上に戻って書いてみる。まあ、その作業だけで三十分以上かかったけど…一人で紙とペンを取り出してベッドに戻れた時点でよく頑張ったよね!


まだ文字の練習を始めたばかりだけど、アンナに教えてもらって書き方はなんとなく覚えてる。


多分、そんなに上手な字ではないのだろうけど…。


「アンナやお兄様達なら、きっと読み取ってくれるよね」


そして、紙に沢山の愛と感謝をしたためた。











朝、起こしに来たアンナはもう起きていた僕に驚く。


「第三王子殿下?寝付けませんでしたか?」


「アンナ、これ読んで!僕が書いたの!」


そんなアンナに、手紙を差し出したらきょとんとされた。


「…!!!第三王子殿下、これっ」


「えへへ、いつもありがとう。大好きだよ」


「第三王子殿下っ、嬉しいです…!」


手紙を読んだアンナは大号泣して喜んでくれた。


やっぱり愛を伝えるのは正しいことなんだ!!!











その後、お散歩してるとラジエルお兄様に会った。


「おはよう、サミュエル」


「ラジエルお兄様おはよう!今日はプレゼントがあるよ!」


「おや、なにかな?」


「お手紙を書いたんだ!」


ラジエルお兄様に手紙を渡せば、微笑んでくれた。その場で手紙を読んだラジエルお兄様は、優しく僕の頭を撫でてくれた。


「嬉しいよ、ありがとう。サミュエルは良い子だね」


そう言ったラジエルお兄様の瞳には、少しだけだけど綺麗な涙が浮かんでいた。













散歩の後のマッサージタイムの最中に、今度はラファエルお兄様がきた。


「ラファエルお兄様、おはよう!」


「おはよう、サミュエル!」


「みてみて、ラファエルお兄様にお手紙書いたの!」


早速手紙を渡せば、ラファエルお兄様は面食らった様子。でもやっぱり喜んでくれた。


「ありがとうな、嬉しいぞ。読んで良いか?」


「うん!」


僕の手紙を読んだラファエルお兄様は、僕を思い切り抱きしめた。


「お前は自慢の弟だ!」


「えへへ。嬉しいな」


こうして僕のお手紙作戦は、無事大成功したのだった。


アンナはその後、家宝にするとか言い出して額縁まで手に入れようとしてちょっと大変だったけど。

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