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【長編版】病弱で幼い第三王子殿下のお世話係になったら、毎日がすごく楽しくなったお話  作者: 下菊みこと


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とある少年の話4

ぱちっと目が覚めた。今は…まだ夜中だろう。


今日はとても良いことがあった。


まず、メイドたちの態度が変わった。挨拶や軽い声掛けをしてくれるようになった。


「急にどうしたんだろう、とは思うんだけど…」


それ以上に、嬉しかった。


「やっぱりきっかけは…アンナ…だよね?」


そうとしか思えない。でも、アンナが何かしたのかな。


「メイドたちと話をつけてくれたとか?」


…いや。たしかにアンナは優しいけど、そういうことはしそうにない。


なんというか、余計なお世話のラインは踏み越えてこないし。


それとも、まだアンナのことを僕が知らないだけ?


「…どうなんだろう。いやむしろ、アンナの僕に対しての態度を見て気持ちが変わったとかの方があり得る気もする」


アンナはとても真っ直ぐに僕を愛してくれるから、それを直視したメイドたちが感化されてもおかしくはない。


「いずれにせよ、アンナには感謝…だね」


可愛いアンナ。優しいアンナ。僕の人生を変えてくれる、僕だけの光。


「…それと、ラジエルお兄様とラファエルお兄様が今日も来てくれた」


何故いきなりそんな距離を詰めて来ているのかはわからないけれど、兄として接してくれる二人は好きだ。


アンナが来るまでずっとひとりぼっちだったから、兄弟が恋しかった時期もあった。


今はそうでもないけど、でも、やっぱり会って優しくされれば嬉しい。


愛してもらえるのは、やっぱり幸せだ。


「…あ」


そうだ。愛してもらえるのは幸せなんだ。だから、愛を返すのも大切だよね。


「もっと、アンナにもラジエルお兄様にもラファエルお兄様にも愛を伝えよう」


適量がわからないのが、難点だけど。


「…愛されることは幸せなことだし、とびっきりの愛をこれでもかと伝えればいいかな」


今日、ラジエルお兄様もラファエルお兄様もいってらっしゃいの挨拶をしただけであんなに喜んでくれたもの。きっと愛してるよ、大好きだよって伝えたらもっと喜んでくれるはず。


「そうと決まれば、早速次にあった時から伝えよう!」


楽しみだなぁ、なんて。


そういえば、偶然だけれどアンナがお散歩に連れて行ってくれたからラファエルお兄様も僕を見つけてくれた…んだよね?


やっぱり、アンナは僕の幸運の女神様なのかも…なんて、ね?


でも、それは冗談にしても本当に感謝してる。偶然とか、そういうものが絡んでいるにしても。アンナが来てくれなかったら、この変化はなかったんだから。


「…よし、アンナには特に特別愛を伝えるようにしよう!」


日頃の感謝は口にしないとね!

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