第三王子殿下とお風呂
「第三王子殿下、お風呂の準備が整いました!」
「じゃあ、アンナ。お願いしていい?」
「もちろんです!」
第三王子殿下をお姫様抱っこして、浴室にお連れする。
泡泡のお風呂に入ってもらい、万が一のことが起きないようにお身体を支えつつ身体を洗う。
「ふぁ…お風呂は温かくてほっとするね」
「そうですね、第三王子殿下」
「アンナは洗い方も優しいね。なんだか眠たくなっちゃうな」
「あ、お風呂で寝ちゃダメですよ」
「うん、気をつける」
身体を洗い終わると、今度は私は身体を支えるのに専念して別のメイドに頭を洗ってもらう。
「では、第三王子殿下のシャンプーをお願いします」
「は、はい」
相手は、たまたまさっきのメイドだった。
「…」
「…」
メイドと第三王子殿下の間に会話はない。
「第三王子殿下、お加減はいかがでしょうか?痛かったり痒かったりしませんか?」
仕方ないので私が聞く。第三王子殿下は笑顔で答えてくれた。
「ううん。すごく丁寧に洗ってもらえて、とっても気持ちいいよ」
第三王子殿下の答えにほっとしつつ、ちらっとメイドの顔を見る。
戸惑ったような顔をしていた。
「…では、そろそろ流して出ましょうか」
「うん!」
第三王子殿下についた泡を全部流して、タオルで身体を拭いて髪を乾かす。寝巻きに着替えていただいて、お部屋までまたお姫様抱っこでお連れした。




