52話 満腹亭
「ここですね、ご飯処満腹亭!!」
「結構混んでるな」
「お昼時ですからね。早速行きましょう!」
お店から漂ってくるいい匂いでさらにお腹が空いてくる。お腹と背中がくっつきそう…。
カランカラン♪
「らっしゃい!2名だね。カウンターの方へどうぞ!!」
「いい匂いがしますね〜」
「メニューこれだな。結構数あるな」
「ハンバーグにグラタン?どんな料理なんだろう」
他にもボロネーゼ、ピザ、パフェとか知らない料理の名前が沢山ある。クロードさんは食べたことあるのかな?
「クロードさん。これってどういう料理ですか?」
「そうか。ずっと森にいたなら食べたことないか。そうだな…。気になるなら両方頼むか?」
「い、いいんですか!?」
「あぁ金はあるからな。食べきれなかったら俺が食べるから気になったもの頼めばいい」
「え、えっとじゃあ…ハンバーグとグラタン、あとオムライスで!」
「そんなに食べられるのか?」
「大丈夫です!私お腹空いてるので。クロードさんも好きなの頼んじゃってください!」
「本当に大丈夫か?好きに頼んじまうぞ」
「はい!すみまーん!!注文いいですか?」
「あいよ!」
「ハンバーグとグラタンとオムライス、クロードさんこのパンケーキってなんですか?」
「頼んでみればいいんじゃないか?」
「えっと、そしたらパンケーキもお願いします!」
「俺はボロネーゼで」
「嬢ちゃんよく食べんな〜。いいことだ!」
「えへへ!」
「注文は以上だな。ちょっと待ってな」
注文を受けてくれたおじさんが厨房の方に入って行く。んふふ楽しみだなぁ。でも流石に頼み過ぎたかな。クロードさんは頼めばいいって言ってたけど流石に…。
「クロードさん流石に私、頼み過ぎちゃいましたかね?」
「食べられるんだろ。なら別にいい。食べられる時に食べとくのは大事だ」
「そう、ですね?」
それでいいのかな?うーん…お腹が空いてあんまり頭が働かない…。あぁまたお腹が鳴りそう…。
「おまちどう様!鉄板熱いから気ぃつけな!」
「ありがとうございます!わ〜!凄く美味しそう!!」
鉄板に乗ってる楕円形のお肉の料理と綺麗な黄色に赤いソースがかかってる料理、深い器に入って湯気を立ててる白い料理。どれもいい匂いがしてすっごく美味しそう!
「気をつけろよ」
「はい、いただきます!」
最初に鉄板に乗ってる楕円形のお肉にナイフを入れる。肉汁が溢れて鉄板がじゅわ〜と音を立てる。ゴクリと喉を無意識に鳴らす。一口大に切って口に放りこむ。
「!!!」
すっっっごく美味しい!!!お肉から溢れる肉汁にお肉旨み。それにかかってるソースがさらに美味しさを引き立ててる。
「お、美味し過ぎます!クロードさんこれってなんていう名前ですか!?」
「これはハンバーグだ。それとこれがグラタンそれがオムライスだ」
「な、なるほど!」
これはハンバーグって料理なんだ!今まで食べた料理で三本指に入る美味しさ!これは他の料理も凄く美味しいってことだよね。スプーンを手に取ってオムライスを掬う。とろとろのの半熟卵が食欲をそそる。そして一口。
「ん〜!オムライスおいし〜!!中のご飯が卵にあってとっても美味しいです!」
「いい反応するな。落ち着いて食べろよ」
「はい!次はグラタン…。ふぅふぅ…あちち!」
「言った側から…」
口の中が凄く熱いけど溶けたチーズに濃厚なホワイトソースがとっても美味しい!中にある穴の空いてる黄色のやつはなんだろう?でもこれがホワイトソースにあってすっごく美味しい!!
「(もぐもぐもぐ……)」
美味しくて黙って食べちゃう。ハンバーグはもう半分も食べちゃった。クロードさんも料理が届いて食べ始めてる。ボロネーゼってああいう料理なんだ。次はグラタンの方に手を伸ばす。少し時間をおいてちょうどいい温度で食べやすい。それでも多少は熱いけど。でも熱々なのが尚良い!
「お前本当によく食べるな。今まで足りてたのか?」
「ングッ!?ゲホゲホッ…!べ、別にいつもこんなに食べてる訳じゃないですからね!偶に沢山食べるだけで。今までも全然足りてましたから大丈夫です!」
「そ、そうか。ならいいが…」
やっぱり食い意地張ってるって思われてた〜!!今のでちゃんと弁明できたか分かんないけど大丈夫!多分!!
「ふぅ…食べました、食べました!」
「本当に全部食べやがった…」
届いた料理のお皿は全部食べ終わって空になった。どれも美味しかった〜。外にこんなに美味しい料理があるなんて思わなかった。
「お!嬢ちゃんほんとによく食べたなぁ。食後の甘いもんだ。おまけでアイスもつけといたぜ!」
「わぁー!!ありがとうございます!」
テーブルに置かれたパンケーキは2段に重なってその頂上に白い丸いものがのってはちみつがかかってる。これが、パンケーキ……!!
ナイフをそっといれるとフワッフワッですぐに切れちゃう。こんなにフワッフワッな食べものがあるなんて!まるで綿みたい!上に乗ってる白いものも一緒にのせて一口。
「〜〜〜!?お、美味し過ぎます!!なんですかこれ!上に乗ってる白いくて冷たいものも美味しいです!なんですかこれ!」
「それはアイスだな。オマケでつけてくれたものだ」
「こんなに甘くて美味しい食べ物が存在してたなんて…!」
あぁ…食べれば食べれば食べる程減っていく。でも凄く美味しい。外に来て良かった…。いや!それだけじゃないけどね。お兄ちゃんを探すのが目的だから!でも、よく考えるとなんでお父さんは森の外に出ちゃダメって言ってたんだろう。お父さん森の外に出たことなかったのかな?今のところ森の外はそこまで危険ではないんだけどな。あぁでも魔獣とか魔物がいるから危険は危険、なのかな?お兄ちゃんも何かしらに巻き込まれて帰って来れなくなっちゃったのかも。
「……ハッ!考えごとしてたら全部食べちゃった」
「何考えごとしてたんだ」
「いやお兄ちゃんのこと考えてて…何処に行っちゃったのかなぁって。あ、そうだ!街の人に聞き込みをしないと!村長さんが街の方に行ったって言ってたので街の人に聞いてみないと」
「なるほど…。10年前のことだが知ってるやつはいるかも知れない」
「そうですよね。あとアイリスさんのことも聞かないと!」
ザワワワッ…!!
急にお客さんの視線が私たちの方に向けられる。みんな驚いたような怒っているような顔をしている。…もしかしてアイリスさんのことを言ったから?
「もしかしてアイリスさんのことあんまり言わない方がいいんでしょうか?」
「そうだな。聞く相手は選んだ方がいいみたいだ。さて、そろそろ行くか。食料も買わないといけないからな」
クロードさんが店員さんにお金を支払ってお店を出る。正直あの空気は居づらかったから早く出たのは有難い。
「ここら辺って食料売ってるお店ありますかね?ここら辺のお店殆ど宝石屋さんみたいですし、もしあったとしても高級店っぽいですよ」
「そうだな…街の外側に行こう。街の中央あたりは富裕層の店が多いみたいだ。外側に行けば住民街みたいだし住民向けの店もあるだろう」
「クロードさん頭いいですね!じゃあ早速行きましょう」




