47話 魔力
「魔力を自覚するってどうやって?」
いきなり魔力って言われても、今までそんなものと無縁だった私には少し難しい。クロードさんは私に魔力があるって言ってたけど正直実感がないな。
「聞くより習え、だ。手をだしてみろ」
「わ、分かりました…」
とりあえずクロードさんの言う通りに片手をクロードさんの方に差し出す。正直クロードさんが今からなにを始めるのかわからないからちょっと怖い…。
「今から俺の魔力をお前に流すから集中して感じ取れ」
「はい…」
目を閉じて手のひらに意識を集中させる。すると手の平からあったかいものが流れ込んでくる感じがする。これが魔力?
「どうだ?何か感じるか」
「はい、何かあったかい感じがします…。これが魔力ですか?」
「よし、そこまで感じ取れるなら上出来だ」
そう言ってクロードさんは手を離した。魔力を感じ取れたのはいいけどそれを私が扱えるのか分からないな。
「次は自分自身の魔力を感じ取ってみろ。心臓あたりに意識を集中してみろ」
「心臓、フゥー……」
胸に手を当てて意識を集中させる。クロードさんの言った通りに心臓に意識を向ける。心臓がドクンドクンと規則的に鼓動を鳴らしている。心臓の音にリラックスしてると体に熱が感じてきた。体温じゃない別の熱、さっきのクロードさんが流してきた魔力の熱。心臓が核になってそこから体に魔力が流れてきてる感じがする。
「…分かってきました」
「なかなか筋がいいな。覚えるのがはやい」
「ありがとうございます!」
「そしたら俺やヴァイスの魔力を感じ取れるか?」
「う〜ん…どうでしょう。ヴァイス、ちょっと失礼」
「ワフ?」
ヴァイスの頭を軽く抱える。ヴァイスに意識を集中させる。ヴァイスが何をやってるのか分からない様で頭を傾げている。意識を集中させても中々魔力が感じ取れない。もっと集中させて意識をヴァイスに向ける。するとヴァイスの周りに何か薄い膜の様なものが感じ取れてきた。表面は感じ取れてきた。更に意識をヴァイスの中に向ける。私の様に魔力が集まってる核のようなものがある筈…。
「クゥーン……」
「凄い集中力だな」
……。あった!ヴァイスのお腹のところから私と同じような魔力の核を感じ取れた。でも私の核よりも小さい感じがする。個人差があるのかな?
「クロードさん出来ました!」
「初めてでここまで出来たら上出来だな。これをもっとはやく、広範囲に出来たら敵の索敵もできる様になる。まあこればっかりは練習と慣れが必要だ」
「なるほど…。練習あるのみ、ですね!あ、そうだ。クロードさん」
「なんだ」
「ヴァイスの魔力を感じ取った時に魔力の核が分かったんですけど、核の大きさが私と違う様な気がして。個人差とかがあるんですか?」
膝に乗ってきたヴァイスの頭を撫でながらクロードさんに尋ねる。クロードさんの魔力はまだ感じ取れないけど、クロードさんの魔力の核の大きさも私とは違うのかな?
「魔力の核、か。うまいことを言うな。お前が言ってる魔力の核は多分魔力の多さによって大きさが変わるんだろう」
「魔力の多さ?」
「魔力が多ければ魔力を入れる器、核も伴って大きくなるんだろう」
「ヴァイスの核は私よりも小さかったから私よりも魔力が少ないってことですか?」
「ワフ?」
「そう言うことになるな。と言ってもヴァイスの魔力は多い方だ。逆にお前が多すぎる」
「え、そうなんですか!」
「俺たちの魔力の多さはお前、俺、ヴァイスの順だ」
魔力が多いって言われてもあんまり自覚がないなぁ。どれくらいが普通かも分からないし。
「お前の銀の髪は魔力が多い証拠だ。それ故に周りから目立ち過ぎる。その帽子を被ってるのは少しでも隠せるからいいな。街中で外さない方がいい」
だからレナさん、銀色の髪は珍しいって言ってたんだ。帽子貰っててよかったかも。
「あとは魔力の放出だが、そろそろ出発したいから歩きながら練習しよう」
「確かに結構時間経ったちゃいましたね。出発しましょうか」
「ワン!!」
服についた土埃をはたいて背伸びをする。魔力、か。意識しながら歩いてみようかな。慣れるには練習するしかないってクロードさん言ってたし。よし!少しでもクロードさんの役に立てる様に頑張らないと!!




