44話 朝の時間
「まあ信じるかはお前次第だ。信仰は自由だからな」
「……揶揄ってます?」
「いや実際に女神を信仰してる人間はいるからな。俺たち魔族は信仰してる奴はいないが」
「クロードさんって人間のこと少し詳しいんですね」
「…知り合いに人間に詳しい奴がいたからな」
その知り合いって誰なんだろう。多分魔族の人なんだろうけど、もしかしたら人間の私よりも人間界について詳しかったり…。
「ほらさっさと食べろ。明日も朝早くに出発するからな」
「あ、そうですね」
目の前にいるクロードさんはとっくに食べ終わっててヴァイスはもう丸くなって眠ってしまっている。私も早く食べて後片付けしなければ。
「もぐもぐ……ゴクン。ふぅ、ご馳走様。クロードさん、後片付け私がしておきますよ」
「いや後片付けくらいは俺が」
「クロードさんの方がたくさん戦って疲れてるんですから早く休んでください」
「だが…」
「大丈夫です。これくらいならすぐに片付きますから」
「………。それなら言葉に甘えるが、何かあったら起こしてくれ」
「大丈夫ですよ。そうだ火は消しておきますか?」
「いやそのままでいい。青い炎は無闇矢鱈に燃やしはしない。それに獣避けにもなる」
「わかりました。さあさあクロードさんは早く寝て下さい」
「あぁ。わかってる」
「はい、おやすみなさい」
クロードさんは何もない空間から毛布を取り出して木を背中にして眠ってしまった。私も早く片付けを終わらせて寝る準備をしないと。
「よしこれで片付け終わり」
使ったものを片付け終わったので纏めて1つの場所に置いておく。鍋たちはクロードさんのものだから朝になったらしまってもらおう。よし、私も寝る準備をしよう。カバンから毛布を取り出して木を背にする。
「クアァ……。ワフン」
さっきまで寝てたヴァイスが私の側によってきた。毛布越しにヴァイスの体温が伝わってきてあったかい。
「ヴァイス。一緒に寝てくれるの?」
「ワン」
「んふふ。あったかいね」
眠気に身を任せて目を閉じればゆっくりと意識が落ちていく感覚がする………。
うぅん……。顔が生暖かい…。それに荒い息も感じる…。
「ウアン!ワンワン!」
「ヴァイス…。舐めるのやめて…」
どうやらヴァイスが寝ていた私の顔を舐めていたらしい。顔がベタベタだ…。すっかり朝になっていて朝日が差し込んでいた。
「ふわぁ…おはようヴァイス」
「ワン!」
「まずはこの顔をなんとかしないとなぁ」
確かこの近くに池があったはず。そこで顔を洗って水を汲んでこよう。
「ふぅさっぱりした」
池で顔を洗ってベタベタだった顔もすっかり綺麗になった。水も汲めたから丁度よかった。
「ヴァイスも顔拭こうね〜」
タオルを濡らしてヴァイスの顔を拭いてあげる。ずっと外にいたから少し汚れてる。ちゃんと洗ってあげたいな。でもこの毛量は乾かすの大変だろうなぁ。
「よしっ!綺麗になったね」
「ウワン!」
「よし、そろそろクロードさんも起きてくるだろうし戻ろっか」
「ワン!」
ヴァイスと一緒に来た道を戻って行く。ここは結構自然が豊かみたいで木の実やキノコが沢山ある。人が来ないから自然が豊かなのかな。
「クロードさん戻りました、よ?」
あれ?クロードさんまだ寝てる。けどなんか様子がおかしい…。
「ハァ、ハァ……。う、うぅ…」
凄い魘されてる…。それに酷い汗。
「ク、クロードさん!起きてください!!」
流石にこの様子のクロードさんのことは放っておけない。クロードさんがこんなに魘されてるなんて…。
「ん、あぁ…。夢、か……」
「大丈夫ですか?その、凄い魘されてましたよ」
「少し夢見が悪くてな…」
「そうですか…。そうだ!顔洗ってきたらどうですか?汗もかいてましたし目も覚めますよ」
「あぁ。そうしてくる…」
そう言ってクロードさんは池の方へ歩いて行った。クロードさん大丈夫かな?そういえばクロードさん目の下に隈があったし普段からあんまり寝られてないのかな。
「クロードさんが戻ってくる前にそこら辺の果物でも集めてこようか」
「ワン!」
余談ですがヴァイスの「ワン!」は肯定です。他は考えてないです。




