40話 魔獣の寝床
レナさんとエルカさんを村に帰って行くのを見送る。寂しくなるな。次にあの2人に会えるのいつになるかな…。そういえば私がレナさんと話してた時、クロードさんエルカさんと何か話してたみたいだけど何話してたんだろう。
「クロードさん、エルカさんと何話してたんですか?」
「いや、ただの世間話だ」
「世間話、ですか」
なんか隠してる気がする…。一体なんだろう。凄く気になるけど無理に聞き出すのもなぁ…。
「ほら行くぞ。暗くなるまでに少しでも先に進みたい」
「あっ待ってくださいよ〜」
クロードさんが先に歩いて行っちゃったから私もついて行く。クロードさん脚長いから一歩が大きんだよな。ついて行くの大変。
「クロードさん歩くの速くないですか?」
「そうか?意識したことなかったが……。いやそうかもしれない。すまん気をつける」
「あ、ありがとうございます」
やけに素直だなぁ。やけに考えこんでたけど前にも誰かに言われたのかな。それにしてもさっきの鳥凄かったなぁ。あの狼の魔獣よりも怖くはなかったけどあんなのがこの先たくさんいるのか…。クロードさんがいるから大丈夫だとは思うけどやっぱり少し心配。
「はぁー……私も魔法、使えたらいいのに」
「お前は魔力あるから魔法使えるぞ」
「え!そうなんですか!?」
「お前は普通よりも何倍も魔力があるからむしろ才能の塊だ。実際お前は俺よりも何倍も魔力があるからな」
「私、そんなに魔力あるんだ」
「そんなに魔力があって魔法が使えないなんて宝の持ち腐れだな」
「あんまり実感ないですね」
「自覚しないと魔力は存在しないと同じだ。お前はまだ魔力を自覚してないから魔力を感じないんだ」
「魔力、か……」
クロードさんは私に魔力があるっていうけど正直どんなものかよくわからない。魔法は目に見えるのに魔力は目に見えないんなんてなんだか変な感じ。魔力、それが分かれば私にも魔法使えるのかな?そしたら少しでもクロードさんの役に立てるかな。
「おいさがってろ」
「え、はい!」
ぼんやりしてたらクロードさんが私を後ろに下がらせる。何かと思ったら目の前には沢山のうさぎ、じゃなくてあれはうさぎの魔獣だ。パッと見た感じ10匹以上?普通のうさぎよりも少し体が大きいし、なんだか足をだんだんさせて暴れてるみたい。
「数が多いな。纏めて倒すか」
そういうとクロードさんは電気を生み出して魔獣たちを感電させてしまった。あんなにいた魔獣がみんな倒れちゃった。やっぱりクロードさんはすごいなぁ。やっぱり私、足手纏いだ。
「少し手伝ってくれないか」
「何をすればいいんですか?」
「この魔獣たちを空間魔法にしまう。数が多いから手伝ってくれ」
「わかりました!」
倒れた魔獣を拾ってクロードさんに渡す。渡した魔獣をクロードさんがどこかにしまっていく。あの空間の先ってどうなってるんだろう。それにしても数が多いなぁ。それを一瞬で倒しちゃうなんて。クロードさんは確かに強いけど、その反面クロードさんって一体何者?て思っちゃう。エルカさんもクロードさんが何者か知りたがってたし。私もクロードさんのこと何にも知らないや。クロードさんがなんでそこまでして魔王アイリスを復活させたいのかも私は知らない。
「よし片付いたな」
「そうですね。結構数ありましたね。でも全部回収しなくてもよかったんじゃないですか?」
「魔獣の死体を放置してたらその肉を求めてまた違う魔獣が集まってくる。そうしたら面倒なことになるからなるべく魔獣の死体は回収しておきたい。それに今は食料が少ないからできるだけ集めておきたい」
そうだ。この先魔獣のお肉を食べなくちゃいけないんだ。確かに魔獣のお肉は美味しかったけど、さっきの魔獣も目が充血しててうさぎとは思えないほど怖い顔してたからちょっと食べるの躊躇っちゃう。
「夜になるまでにできるだけ進みたいからもう行くぞ」
「確かに夜になったらもっと魔獣が襲ってくるかもしれませんしね」
村を出たのは早朝だから夜になるまでにどこまで行けるかな。エルカさんの話によると街に着くまでに5日かかるらしいから街に着くのは当分先だなぁ。
「大分暗くなってきましたね」
「そうだな。そろそろ休める場所を探すか」
あれからたまに魔獣に襲われながら進んできた。クロードさんが魔獣を倒してそれを私が集めてクロードさんがしまう。それを繰り返してたから結構時間が経っちゃった。もう日が落ちかけて空がオレンジ色になってる。本格的に暗くなる前に休める場所を探さないと。
「どうしましょうか。ここら辺休める場所あります?」
「あいにくここは林があるから丁度いいな。身を隠せる」
「確かにそうですね。じゃあ林の中行ってみます?」
「…そうだな。林の中は対した魔獣も居なそうだし行ってみるか」
クロードさんが先に林の中に入って私もクロードさんの後を追って林の中に入って行く。木が光を遮ってただでさえ暗くなってきたのにもっと暗くなる。前にいるクロードさんはどんどん先に進んで行く。クロードさん黒色のローブ着てるから闇に紛れて見失っちゃいそう。迷子にならない様にクロードさんのローブ掴んでおこう。
「どうした」
「え?」
「手、どうしたんだ」
「あぁ!あたり暗いから離れない様にと思って。嫌でした?」
「いや、大丈夫だ。確かに暗いし全く魔獣がいない訳じゃないからな。離れたら面倒なことになる」
そうやって林の中を大分進んで行くと沈みかけてた太陽が完全に沈んでしまった。さっきよりも暗くなってきたからクロードさんが火を出して明かり代わりにしてくれた。クロードさんの明かりを頼りに進んでいけば少しひらけた場所にでた。
「ここ、丁度良さそうですね」
「そうだな。今日はここで野宿するか」
「そしたら私、薪を拾ってきますね」
「いや、俺も行く。いくらここら辺にたいした魔獣がいないといっても危険がある訳では…」
「大丈夫ですよ!私も多少は自衛出来るんですから。それにクロードさん魔法沢山使って疲れてますよね。ならなおのことここで休んでてください」
「…分かった。だが何かあったらすぐに大声で俺を呼べ」
「了解です!」
クロードさんの方が私よりも疲れてるはず。なら薪拾いくらい私がやらなくちゃ!クロードさんは明日も魔獣たちと戦うはずだから今日はゆっくり休んでもらおう。




