35話 夜の時間
レナは部屋を片付けに二階に行ってしまった。本当は私も手伝いたかったけどレナは意外と頑固だから1度言い出したら聞かないんだよね。だからレナの言われた通り私は一階で待ってるけど落ち着かないなぁ。手元のカップをとって少なくなったお茶を飲み干す。
「やっぱりレナのお茶は美味しいな」
最近こうやってゆっくりする機会もなかったし、なんだか落ち着かない。手持ち無沙汰でにカップの淵をなぞったりする。それにしても今日はいつもの夜より明るい気がする。机の上には蝋燭はあって部屋の中はそこそこ明るいけど、窓から差し込む月光がさらに部屋を明るくさせてる。そういえば今日は星、良く見えるかな。
「少し見てみようかな……」
椅子から立ち上がって窓の方に向かう。昔は良く星空を見てたけど最近はめっきり見なくなってた。ゴブリンのこともあるけど何より………。ハァ…私も大分重いなぁ。そろそろ私も前に進まなきゃいけないのに。
「やっぱり今日は星がよく見える。雲も全くなくて月明かりがよく届く」
星を指でなぞって星座を作る。昔覚えていた星座、今でも覚えてるものだなぁ。たくさん星座を作って暇つぶしをする。そうやって暇つぶしをしてると階段の方から足音がする。片付けが終わって降りてきたのか。
「エルカちゃんお待たせ〜」
「レナ。片付け終わったの?
「うん。エルカちゃん星見てたの?」
「まあね」
「確かに今日は星がよく見えるわね。まるで空の宝石ね」
「あははっ!!レナって結構ロマンチストだよね」
「む!別にいいじゃない!」
「別にからかった訳じゃないよ。レナのそういうところは昔から好きだから」
「……さ、さあ!二階に行きましょう。夜更かしは良くないわよ」
「はいはい」
咄嗟に顔を逸らしたけど赤くなってるのバレバレなんだよな。まあここは気づいてないふりしておいておこう。レナのためにもね。
「ここがノアの部屋。ベットメイキングはしてあるし、部屋も好きに使っちゃって構わないわ」
「わかった。レナありがと」
「それじゃあおやすみなさい」
「おやすみ」
レナにおやすみを言ってベットに潜り込む。はーふかふかだ…。今日は立ちっぱなしだったから足が疲れたな。寝る前に着替えないといけないけど立ち上がるの面倒くさい…。うぅでも着替えなきゃなぁ。
「あー面倒くさい……さっさと着替えて早く寝ちゃおう」
今着てる服を全部脱いで家から持ってきた寝巻きに着替える。早く寝たいから脱いだ服はそこら辺に放っておく。あ〜眠い……。ベット…ベット……。
「おやすみ〜…………グゥ…」
「ふわぁ…」
エルカちゃんをノアの部屋に案内をして私も早く寝たいけど、まだ少しやり残したことがあるからまだ寝られないわ。どこにいったのかしら。
「う〜ん……あったわ!」
探し物をしてタンスを探してたらようやくお目当てのものを発掘できたわ。昔私が使ってた茶色のハンチング帽子。新しい帽子を買ってからこっちの帽子は被らなくなちゃったからタンスの奥にしまっちゃったのよね。捨てるのも勿体なかったから残しておいたけど捨てなくてよかったわ。
リリィちゃんの髪色は街では目立つからこの帽子で少しは髪色を誤魔化せると思って探してたけど、全然綺麗だからこれならリリィちゃんに渡しても大丈夫そうね。
「少し糸がほつれちゃってるけど、これくらいならすぐに直せるわね」
引き出しから裁縫道具を取り出して針に糸を通す。帽子の糸のほつれを直して、と。あ、そうだ!リリィちゃんの名前に関して百合を刺繍しようかしら。少し眠いけどこれくらいなら大丈夫ね。
「よし、できたわ!」
帽子の横に白の百合の刺繍が施されてる。我ながらいい出来ね。これで少しはリリィちゃんの髪色を誤魔化せるといいんだけど。
「ふわぁ……。明日はリリィちゃん達のお見送りをするからもう寝ないと」
寝巻きに着替えてベットに横になる。今日はいろんなことがあったわね。悩まされてたゴブリン達の被害も今日限りで困らされることもなくなる。これも全部クロードさん達のおかげ…。そういえばエルカちゃんがクロードさん達のことどう思ってるか聞かれたらわね。結局あれってどういう意味だったのかしら。エルカちゃんのことだから何かあると思うんだけど…。まあ、考えたってどうしようもないわよね。さて、早く寝ないと…




