23話 お手伝い
「すみませーん!」
「あらリリィ様。どうされたんですか?」
広場の奥の方で宴の準備をしてる村人さんを見つけて声をかける。見た感じお肉を切り分けてるみたい。
「えっと、お手伝いをしようと思って。何かすることありますか?」
「そんな!救世主様に手伝って貰うなんて」
「私は特に何もしてないんですよ。全部クロードさんがしてくれたので。だから私、全然疲れてないしじっとしてるのも性に合わないので」
「でも…」
「いいじゃない。手伝ってくれるって言ってるんだし手伝って貰えば?今は人手が足りないんだし」
「うーん…じゃあお願いしてもいいですか?」
「はい、もちろん!!」
「ごめんなさい。こんなこと手伝ってもらって」
「いえ全然!昔からよくやってたので」
今は村人さんを手伝って魔獣のお肉を切り分けてる。沢山あるから切り分けるのが大変だったらしい。
「リリィ様は昔から解体とかよくやってたんですか?」
「私、昔から森に住んでたので動物のお肉とかお魚とかを捌いてたりしてたんです」
「森に?もしかしてこの村の近くにある森ですか?」
「そうです。あと、様付けって少し恥ずかしいので呼び捨てでいいですよ。私の方が年下なので」
「リリィ様、リリィ…さんがそういうなら。リリィさんはいくつ何ですか?私は23ですけど」
「私ですか?18ですよ」
「あらそうなんですか。若いのに旅をして大変ですね」
「私、兄を探しててそれでクロードさんと一緒に旅をしてて」
「お兄さん?」
「そうです。私と8つ違って今は26歳ですね。10年前ぐらいに急にいなくなっちゃって。今も帰って来ないんです」
10年前…そう言えばアイリスさんが封印されたのも10年前だったけ。10年前にクロードさんはアイリスさんを失って私はお兄ちゃんが目の前からいなくなった。そう考えると私たちってどこか似てるのかも。
「お兄さんの名前なんて言うんですか?」
「ダリアって言います。聞いたことありますか?」
「うーん……ごめんなさい。聞いたことないと思うわ」
何も知らないか。でもそうだよね。お兄ちゃんのこと知ってる人がいたらラッキーみたいな感じだけど、中々お兄ちゃんのこと知ってる人いないよね。それにこの村家の森に近いしもしかしたらって思ったけど。
「そういえば私名前聞いてませんでしたね」
「あらそうだったわね。私レナっていいます。気軽によんでくださいね」
「レナさん。色々ありがとうございます」
「いいのよ全然。私も今手伝ってもらっちゃってるし」
「んふふ。そうですね。でも大分片付きましたね」
「ええ。手伝ってくれたおかげでずっと早く終わったわ」
「おーい!そっちが終わったら火おこし手伝ってくれなーい!」
「あら火おこしまだだったのね。リリィさんこっちはもういいから火おこしの方手伝って来てくれない?」
「分かりました!レナさん話に付き合ってもらってありがとうございました!!」
「いいえ。こちらこそ」
レナさんに声をかけて火おこしの方を手伝いに行く。広場の中心で女の人が火を起こそうと準備してるみたい。
「火起こし手伝いに来ました!」
「リリィ様!そんな全然大丈夫ですからゆっくりしててくださいよ」
「いいんです。私はむしろ元気が有り余ってるくらいで。じっとしてる方が落ち着かなくて。あと様付けはむず痒いので呼び捨てでいいですよ。」
「それならいいの、かな?じゃあリリィちゃんでいいかな。私はエルカ」
「それで大丈夫です。エルカさん」
「それにしても手伝ってくれてありがたいね。私、火起こし苦手でさ」
「あぁ分かります。私も最初は中々火がつかなくて苦戦してました」
なつかしいなぁ。お父さんが死んじゃってお兄ちゃんもいなくなっちゃったから1人で火おこしをしなくちゃいけなかったけど、全然火がつかなくて苦労したなぁ。
「分かる?私いっつも火をつけるのに苦戦してね。街の人は魔道具で簡単に火がつけられるらしくて憧れるな〜」
「その…魔道具って何ですか?私その辺のことあんまり詳しくなくて」
「私も詳しいことは知らないけど魔道具って物は簡単に火を起こしたりお湯が出たりするらしいよ。ま、私たちの様に村に住んでる人は縁のない話だけどね」
「便利なんですね魔道具って。やっぱり街に住んでる人は違うんですね」
「そうだよ〜。村と街じゃ全然違うの」
「ちょっと憧れちゃいますね」
「私も一度は街に住んでみたいな。あ!そういえばレナの弟くんが街で出稼ぎしてるから街について聞きたいならレナに聞いてみたら?」
「レナさんに弟がいたんですか。…そうですね。後で聞いてみます」
レナさんに街に聞いてみるの案外いいかもしれないな。私とクロードさんは街について全然詳しくないから1つ手かもしれない。宴の時に少し聞いてみよう。
「それじゃそろそろ仕事しようか」
「そうですね。私は何をすればいいですか?」
「とりあえず薪を準備しないといけないから、薪を運ぶのを手伝ってくれない?」
「はい、もちろんです!」
「それじゃ倉庫に行こうか」
「分かりました」




