21話 リベンジと仲間
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「俺と戦え女!!」
「あ、久しぶり!一ヶ月振りだっけ?」
「この一ヶ月お前を倒すために魔物と魔獣を倒してきた。今日はお前を倒させて貰うぞ」
「それにしても、よく玉座の間まで来れたね。門番いたでしょ?」
「あぁいたなぁあんな奴ら。だがあんな奴らじゃ俺は止められねぇよ。門番ならもっと強ぇ奴にしろよ」
「ふーん…私、基本的に怒らないんだけど仲間のこと悪く言われると少し怒っちゃうな」
女の殺気が俺に送られる。今まで幾つもの死線を潜り抜けた俺だが、今まで感じたどの殺気よりも恐ろしく感じる。殺気が俺の体に刃物の様に刺さるかと錯覚さえする。額に冷や汗が流れ頬を伝っていく。
「ハハ…ガハハハハ!!!やっぱり戦いはこうじゃねぇとなぁ!」
「大丈夫だよ殺しはしないから。結構気に入ってるんだよ君のこと」
「遠慮はいらねぇ。俺は戦いの中で死ねるなら本望だ」
「ならギリギリ死なないぐらいにしてあげる」
「っ!おもしれぇこっちから行くぞぉ!!」
先手必勝。まずはこっちから攻撃を仕掛ける。一気に踏みこみ懐に潜り込み殴りかかる。
「ガハッ!?ウゥ…ゲホッゲホッ。アハ、前より速いねぇ」
「伊達に一ヶ月修行してねぇよ」
「イタタタ…。こっちも少しは本気出さないとなぁ」
女の腹に一発ぶち込む事ができた。前は一発も当たらなかったが攻撃を当てる事ができた。一ヶ月の修行は無駄じゃなかった様だな。手応えはあったから女にも少なくは効いてるみてぇだ。このまま攻め続けて追い詰める!!
「オラオラオラァ!!!!」
「攻撃激しいな。前よりもすごく強くなってる。よっと」
女が急に距離をとった。何をするつもりだ?とにかく何をされてもいい様に警戒だけはしとかねぇと。
「おいでカルヴァロン」
「何だ?その剣は…」
女が何か言うと突然剣が現れた。片手剣の様だが禍々しい雰囲気を漂わせてる。あの剣で斬られたらまずい。本能がそう呼びかけている。
「この剣は魔剣の一種。ちょっと難しい子だけどすっごく強いからあんまり舐めちゃダメだよ」
「舐めてなんかねぇよ。その剣がヤベェってことは嫌でも伝わってくるからなぁ」
「流石にわかるんだね。じゃあ遠慮なくいくよ」
「速ッ!?」
ザシュッ!!
「ガッ!?」
女が目の前から消えたと思ったら右脚を斬られてた。そこまで深い傷ではねぇはずだが脚に力が入らなくて床に膝をつくしかねぇ。
「脚に力入らないでしょ。これ以上戦ったら全身に力が入らなくなっちゃうよ」
「ハッそんなんで俺が負けを認めると思うなよぉ!!」
まだ動く右腕で床を思いっきり叩き叩く。割れた床の破片が舞い上がる。右脚は動かねぇが左脚はまだ動く、左脚に全体重を預けて思い切り立ち上がる。このまま負けなんて俺のプライドが許さねぇ。たとえ手足が全部なくなったとしても俺は死ぬまで戦い続ける。
「嘘、まだ動くんだ」
「俺をとめたきゃ心臓をとめるしかねぇよ」
「あははっ!!ますます気にいっちゃった。やっぱりこのまま放っておくのは惜しいなぁ」
「俺はまだまだ戦いたりねぇ。まだまだ戦うぞ」
「そうだね。私もまだ君と戦ってたいな」
右脚はまともに動きやしねぇ。最初の攻撃の様に懐に潜り込んで殴るのは無理だな。ならものを投げて遠くから攻撃するしかねぇ。近くにあるのは灯りぐらいか。
「オラァ!!」
「おっと危ないなぁ」
ガシャァンッ!!
「やっば!つい斬っちゃったけどこれクロードに怒られるよね?いや絶対怒られる…」
「よそ見してんじゃねぇ!!」
女が投げた灯りを斬って目を逸らした隙に、できる限り速く女に近づき殴りかかる。
「よっと。危ないついよそ見しちゃった」
が、やっぱり女に簡単にかわされる。今の俺は完全に無防備だ。ここで終わりか。このまま俺は女の剣に斬られて死ぬんだろうな。まぁ最後にこんな戦いができたんだ。悔いはねぇな。
ザシュシュッ!!
「グッ…おい…何で殺さねぇ!!今のお前なら簡単に殺せただろうが!!!」
完全に死ぬと思ったが女は致命傷にならねぇよう両手足を斬られた。さっき右脚を斬られたように両手足に力がはいらねぇ。
「さっき言ったでしょ。私は君のこと気にいってるから殺しはしないって」
「俺は戦いで負ける時は死ぬ時だって決めてんだ。前お前と戦った時は決着がつかなかったが今回は決着がついた。俺は負けてそのまま惨めに生きるなんてぬりぃことはしねぇ」
「うーん…でも私君のこと殺したくないし。そもそも私誰も殺したくないんだよね」
「な!?」
こいつこんな甘ぇ考えで魔王なんかやってんのか。誰も殺さねぇ魔王なんていていいのかよ。
「ほら、前の魔王はいかにも暴虐無人って感じたったでしょ。私はみんなと仲良くできる様な世界を作りたいの。だから誰も殺さない」
前の魔王…俺は最近進化したからな。前の魔王のことは覚えてねぇな。
「だから俺も殺さねぇってか」
「そ。それに私、魔王になったばかりだからあまり敵は作りたく無いんだよね。ただでさえ今は仲間も少ないからさ」
「なるほど。だから城内に人も少なねぇし、俺が簡単に城に侵入できたのか」
「そ。だから今は城の警備が手薄でさ〜。魔王が変わったばっかてこともあって前魔王の勢力がたまーに押しかけてくるんだ」
「それで大丈夫なのかよ」
「敵が来ても私とクロードがみんな倒しちゃうから全然平気!」
口の端を吊り上げて指を2つ立ててる。これでよく魔王がつとまるな…。それよりクロードってあの時女を連れてった男のことか?やっぱあいつ強ぇんだな。
「で、俺はどうなんだよ。言っとくが俺はもう指先も動かせねぇぞ。不敬罪ってやつで牢屋行きか?」
「フフフ…それに関しては私いい考えがあってね。君、私の仲間になんない?」
「……ハァアアア!!!???」
俺が女の仲間になる?どう言う話の流れでそこに行き着くんだよ。そもそも俺はこいつに襲いかかったんだぞ。そんな奴を仲間にすんなよ。
「何でそうなんだよ!てか何で俺がお前の仲間になんなきゃいけねぇんだよ」
「さっき言ったけど今仲間が極端に少なくてね。それで1人でも多く仲間が欲しいんだ。それに君、強いじゃん」
「だとしても俺がお前の仲間になる道理がねぇだろ。お前を殺そうとするかもしれねぇぞ」
「そんな簡単に君が私を殺せないでしょ。実際今君私に負けて床で寝てるじゃん」
「グ…そう言われると何も言えねぇ」
「でしょ!だから…」
「おいアイリス!!大きな音がしたが大丈夫か!!!」
「あ、クロード」
この前女を連れてった男だ。さっきの話によりゃぁこいつも強ぇみたいだな。
「て、何だよこれ!?床は割れてるし灯りは1つ壊れてるしよ!てかお前この前の鬼人か」
「今更かよ…」
「ごめんクロード。ちょっと壊しちゃって…」
「ちょっとどころじゃ無いだろ」
「えへへ…」
「ハァー……それよりアイリスお前何でカルヴァロンまで使ってんだよ」
「つい本気になちゃって」
「ついじゃ無いだろ。ほらさっさと治してやれ」
「まあずっとこのままじゃあれだもんね。カルヴァロン、返してあげて」
「お、力が入る。何したんだよ」
「んー…内緒!」
「何だよ…」
明らかにあの剣の仕業だよな。だが何でアレに斬られたら力が入らなくなったんだ?力を奪う能力でもあるのか?
「お前怪我してるな。それぐらいなら俺で治せる。少し見せてみろ」
「おう…」
「水の第四呪文:ルメッドドロップ。…どうだまだ痛むか?痛む様なら他のやつに回復魔法をかけさせるが」
「いや大丈夫だ。すげぇな傷が塞がった。これが魔法か…」
「クロードは六属性全部の魔法が使えるからね!この国じゃ私の次に強いんじゃない?」
「過剰評価しすぎだ」
「へぇお前強ぇのか」
「俺は戦わないからな」
「チッ…」
「やっぱりな。それでアイリスこいつどうすんだ。牢屋にでも入れるのか?」
「いや?仲間にするけど」
まだいってるのか…
「ハァ!?お前何言ってんだよ。お前に襲いかかったやつだぞ。そんな奴を仲間にするのかよ」
「あはは!似た様なこと言ってる。でも強いよこの人」
「確かに鬼人だから強い筈だが。それでもな…」
「もーー!!私が仲間にするって言ったんだから仲間にするの!!はい決定!これ魔王の命令だから」
「ハァ…お前がそう言うなら仕方ない。鬼人、アイリスは言い出したら絶対に撤回しないから諦めろ」
「お、おう」
「じゃ改めてよろしくね!えーと…。そういえば名前聞いてなかったね」
「おい」
「俺に名前はねぇよ。魔物に名前をつける酔狂な奴なんかいねぇからな」
「うーん…でも名前がないとこの先不便だよね。じゃあ私が名前つけてあげる!」
「嫌な予感しかしない」
「じゃあ鬼助!」
「却下」
「流石にありえねぇ」
「えーそんなぁ!」
俺の名前がそんなになるなんて流石にありえねぇ。
「じゃあ何がいいの?クロードも少しは考えてよ」
「俺か?あー…ジャッカス、とか」
「いいじゃん!でも何でその名前?」
「別に何でもいいだろ…」
「ふーん。ま、別にいいや」
「(昔構ってた野良犬の名前とは言えないな……)」
「で、どう?気に入った?」
「まぁ最初のやつよりはマシかもな」
「よし!じゃぁ決まり!」
ん?これ仲間になる流れじゃねぇか?
「言っとくが俺はまだ仲間になるとは…」
「クロード!仲間が増えたからパーティしよっ!」
「玉座の間を直してからな」
「そうだった…。ウゥ…」
「おいだから…」
「諦めろ。まぁお前、強いみたいだから誰もお前のこと反対しないんじゃないか?鬼人も珍しいし」
「な、何だそりゃ…」




